0 (14.2兆円)(5.4兆円)5.9%3.0%(3.4兆円)防衛力強化資金繰入れ(*)8.1%9.1%○2023年度予算の国の一般会計歳出114.4兆円は、主に、①社会保障、②国債費、③地方交付税交付国債費社会保障(36.9兆円)一般会計歳出総額(114.4兆円)地方交付税交付金等(16.4兆円)32.3%その他12.4%文教及び科学振興4.7%公共事業5.3%(6.1兆円)防衛14.3%(*を除く)(6.8兆円)31.1%その他収入(9.3兆円)その他税収(10.4兆円)公債金(借金)(35.6兆円)一般会計歳入総額(114.4兆円)所得税18.4%(21.0兆円)法人税12.8%(14.6兆円)消費税20.4%(23.4兆円)カンニング竹山さん やはり今国民の皆さんは「税」について気になっていると思います。経済対策の中には減税も盛り込まれましたが、メディア等では様々な増税がなされていると指摘されていて、基本的には負担は増えていく流れだと理解しています。僕自身は、みんなが老後まで幸せに暮らしていくために税は必要だと思っていますが、現状はどうなっているのでしょうか?竹内補佐 この議論には様々な主張があると思うのですが、まずは財政の構造の部分をお話しします。令和5年度当初予算では、歳出は約114兆円ですが、裏付けとなる歳入については税金等では足りず、約3割は国債発行、すなわち借金で賄っています。これが毎年積み重なって、現在1000兆円を超える借金となっていて、いつか返さなければなりません。誤解を恐れずに言えば、「まだ返せるな」と市場から思われている間は大丈夫ですが、もしどこかのタイミングで財政の信用を失うと、金利が上がってしまう金等に使われており、これらで2/3を上回っています。などの恐れがあります。○2023年度予算の国の一般会計歳入114.4兆円は、税収等と公債金(借金)で構成されています。○現在、税収等では歳出全体の約2/3しか賄えておらず、残りの約1/3は公債金(借金)に依存してい図 1 令和5年度一般会計当初予算ます。この借金の返済には将来世代の税収等が充てられることになるため、将来世代へ負担を先送りしています。カンニング竹山さん 国の「信用」ですよね。竹内補佐 そうです。信用を失う形で金利が上がると、国の歳出のうち利払いに充てる費用が急増することで財政運営に支障をきたす恐れや、民間企業においても資金調達がしにくくなってしまう恐れなど、国民生活に悪影響が出ることが考えられます。こうした状況になる前に、何とか持続可能な財政の仕組みを作っておかなければならない。これが私の考えです。一方で、この仕組み作りには、受益と負担のあり方の修正が必要で、その結果なんらかの負担増を伴う方もでてくるところ、「もしかしたら負担増を伴わないもっと楽な裏技があるのではないか」と思われてしまうと、なかなか仕組み作りの必要性がうまく伝わらず、具体化に向けた議論が進まなくなってしまうのが難しいです。カンニング竹山さん 国といえども借りたままにはできず、いずれ返さなきゃいけないというのは間違いないのですよね。そして、未来の子どもたちの世代が返すことになるというのも間違いない。でも、世の中にはいろいろな意見を持つ人がいて、それは「財務省だからいずれ返さなきゃいけないって言うんだろう」と思われてしまっていますよね。財務省の皆さんが得するわけでもなく、皆さんも同じく税金を払っているのに。(笑)長谷川室長 財政については、何とか分かりやすく伝えようと簡単に説明し過ぎると誤解が生まれてしまうし、詳しく説明しようとすると小難しい話になってしまい聞いてもらえないというのが、悩ましいところです。おっしゃる通り私たち財務省職員であっても一国民として税を負担しています。負担と言いましたが、税は「社会共通の費用を賄う会費」のようなもので、負担の反対側では、受益、すなわち教育や医療、警察といった公共サービスや公共インフラが提供されているということを改めて伝えたいです。水道水が飲料水として安全に飲めたり、医療をすぐ受診できて自己負担は小さく済むなど、日本の公共サービスはものすごく充実しているとアメリカで生活していた時に実感しました。こうした公共サービスを将来にわたって維持していくために、税を負担していただいています。また、税にはこうした財源確保機能の他、所得再分配機能や経済安定化機能といった大切な役割もあります。カンニング竹山さん 国民からするとやはり税は「と【歳出】(過去の借金の返済と利息)22.1%(25.3兆円)【歳入】ファイナンス 2023 Dec. 11予算はどのような分野に使われ、どのくらい借金に依存しているのか写真 2 カンニング竹山さん(一同、なんとも言えない感じで笑う)日本の財政について
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