ファイナンス 2023年11月号 No.696
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ファイナンス 2023 Nov. 63松本税務署国宝 松本城松本税務署 総務課長生田目 知宜「日本の屋根」北アルプスの麓、松本盆地に所在する松本税務署は、明治29年11月に設置されて以降、明治42年12月に豊とよ科しな税務署と合併し、昭和3年7月に現在の場所に移転、平成2年9月に新築されて現在に至っています。新築の際は、すぐお隣の国宝松本城の景観を壊さないよう外観にも配慮されたということです。管内は、平成17年3月時点で2市・4町・13村でしたが、「平成の大合併」などにより、現在は、松本市、塩しお尻じり市、安あづみの曇野市、東ひがし筑ちく摩ま郡(麻お績み村、生いく坂さか村、山形村、朝日村、筑ちく北ほく村)の3市5村となっています。また、管轄面積1,868.7km2、人口約42万人、世帯数約18万世帯(令和5年1月現在)となっています。松本税務署の標高は592メートル、そこから西に穂ほ高たか岳だけ、槍やりヶが岳たけなど標高3,000メートル級の峰々が連なる「北アルプス」を、東に日本百名山の一つ「美うつくしヶが原はら」を望みます。管内には、名所・旧跡・高原・温泉地などの観光資源が豊富であり、国内外から多くの観光客や登山者が訪れています。見せ、背景に連なる北アルプスの美しい松本城。NHK大河ドラマ「どうする家康」で、徳川家康のもとを去り、豊臣秀吉のもとへ出奔したことで脚光を浴びた石いし川かわ数かず正まさが、天正18年(1590)に秀吉の命により築城に着手しました。城の完成を見ずに亡くなった数正の城造りへの思いは息子康長へと引き継がれ、国宝となっている天守の建造年代は、康長による文禄2~3年(1593~1594)で、現存する五重の天守閣としては日本最古であるといわれています。松本城は、戦国時代に造られた深ふか志し城が始まりで、甲斐の武田信玄が信濃支配の拠点としていたこともあります。松本城では、春の夜桜会、夏の薪能、秋のそば祭りなど年間を通じて多くの行事が開催されています。北アルプス登山の玄関口として大たい正しょう池いけ・河かっぱ童橋ばしで知られ特別名勝と特別天然記念物のふたつの称号を与えられた上かみ高こう地ち、360度の眺望と高山植物の宝庫である美ヶ原高原、スキー場・温泉の乗のり鞍くら高原などが有名です。国宝松本城黒漆塗りの下見板と白漆喰の大壁とが絶妙の調和を三つのガク(岳・楽・学)都 松本はじめに「岳」都アルプスの城下町 〜三ガク都 松本〜松本市

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