ファイナンス 2023年11月号 No.696
60/72

中原:コロナ禍などは特に足許の経済情勢を踏まえた政策決定が求められました。今の部署でも、経済情勢や金利・為替レートの推移など、統計的な考え方が必要なので、研修で学んだことを活かしていけたらと思います。小山:公表されたGDP等の指標に対して、上がった、下がったなど数値だけで捉えるのではなく、その背景的な要因の分析までチェックして、今後の経済がどう動いていくか、各国の政策がどう変わっていくかということも考えるようにしたいと思います。今は、アメリカやヨーロッパの利上げなど金融政策を見ているので、引き続きマクロ経済の視点を大事にしていきたいです。今後の研修の改善、リスキリングの促進に向けて成田:研修の改善点や、財務省の業務で求められる知識の習得に向けたリスキリングの必要性について、自由にご意見いただけたらと思います。渡邊:データ分析を予算査定等で実際に活用した職員の実践例を聞いてみたいです。理屈が飛び交う空中戦になる時ほど、財務省として正しいデータ・根拠を示していく必要性を感じています。中原:大人数向けの研修だと一方向にならざるを得ないので、テーマによってはゼミのように少人数で双方向の形の講座があったらと思います。前職の職場では、コーポレートファイナンスやマネジメントなど、様々なテーマでグループワークがありました。普段関わりのない人と繋がって、世代を超えて交流の幅も広がりました。渡邊:実際に集まって手を動かしてみるような機会を作るというのは賛成です。他には、Teamsなどでデータ分析に興味がある人たちのグループを作って、分析の壁打ちや困ったときの相談などが出来るようなコミュニティがあったら良いですね。交流の話に関しては、コロナの影響や職員の意識の変化もあり、飲み会などの率直なコミュニケーションの機会が減少している中で、担当している「再生プロジェクト」の中でも1on1ミーティング等、今後の省内のコミュニケーションの在り方を模索していますが、研修を通じた繋がりというのも、非常に良い形なのではないかと思います。中原:あとは、財務省には論研など、論文執筆まで含めた本格的な研修もありますが、私のように中途入社してタイミングを逃した人などに対しても、柔軟に機会提供があれば嬉しいです。小山:採用区分によっても研修の機会は異なってきますし、局によっても制度に違いがありますが、職員に共通して必要な内容については体系化されたらいいなと思います。今の部署ではマーケット関係の知識をオンデマンドで学ぶ研修や、証券アナリストや証券外務員など業務に必要な資格の取得に向けた支援があります。渡邊:論研については、再生プロジェクトでも検討をしていますが、今も財総研で取り組んでいるように、決まったタイミングの一部の職員だけでなく、対象を広 56 ファイナンス 2023 Nov.

元のページ  ../index.html#60

このブックを見る