米カリフォルニア大学ロサンゼルス校経済学博士。平成10(1998)年早稲田大学政治経済学部卒、日本政策投資銀行入行。ハーバード大学、一橋大学教授などを経て令和5(2023)年から現職。菅谷 勇樹 一橋大学大学院非常勤講師・株式会社フィンデクス取締役慶應義塾大学理学博士。平成22(2010)年株式会社スタージェン入社。株式会社アナザーウェア、株式会社エフビズを経て、令和2(2020)年から現職。一橋大学非常勤講師としてデータサイエンスを指導。山澤 成康 跡見学園女子大学マネジメント学部教授・東京財団政埼玉大学経済学博士。昭和62(1987)年京都大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。同社データバンク局、スタンフォード大学、日本経済研究センターなどを経て、平成21(2009)年から現職。宮川 大介 早稲田大学教授策研究所主席研究員ことを目的に、早稲田大学の宮川大介教授にお話しいただきました。プレゼンテーションでは、計測、予測、因果推論の3つの分析フレームワークと、それぞれを用いたデータ分析を実務的な課題解決に繋げたプロジェクトの実例について紹介いただくとともに、業務目的から逆算したデータ分析手法の選択の必要性について説明いただきました。また、分析テーマの設定やデータを扱う際のノウハウ、そしてマシンとの役割分担といった、データ分析を行う上でボトルネックとなる課題についても提示がありました。最後に、データ分析技術が普及する中でもヒトに期待される役割は、意思決定や正確な計測、機械学習の予測の補完など様々あることの説明をいただき、講義を通して伝統的な計量経済学的手法と機械学習手法を用いたビックデータ分析の思考法を学ぶことが出来ました。本講義では、・ 「分散」「相関係数」といったデータ分析の基礎用語や回帰分析の基礎的概念について学ぶ・ 統計ソフトを用いてどのような分析ができるのか理解することを目的に、一橋大学大学院の菅谷勇樹講師、跡見学園女子大学マネジメント学部の山澤成康教授に、R、EViewsの2つの統計ソフトを用いたデータ分析について、それぞれソフトの解説とともに説明いただきました。(参考)研修で用いた統計ソフト「R」世界中で利用されているオープンソースの無料統計ソフトで、様々なOSで統計解析が可能。「EViews」時系列分析や季節調整を得意とする有料統計ソフトで、操作のしやすさに定評。菅谷講師には、時系列プロットやその季節性、トレンド、残差への分解、パッケージを利用したグラフィカル表現など、Rの特徴を活かした分析について貿易統計データを用いてご紹介いただきました。また、記述統計量の算出や、2種類のデータの関係性の分析方法(相関係数の測定や最小二乗法による回帰直線の推定)について指南いただいた後、データを様々な角度から眺めることで背後にある法則を発見的に探っていく「探索的データ解析」や、現象の理解のため表面的な解析を超えて発展的な示唆を得ようとする姿勢が、データサイエンスにおいて重要であるとのお話をいただきました。山澤教授からは、まずExcelを用いて相関係数、回帰分析等の用語について説明があった後、季節調整や期種変換、ロジットなど、統計ソフト(特にEViews)だからこそできる高度な分析について解説いただきました。後半では、実際にEViewsを操作しながら、グラフを簡単に描ける、期間を自由に変えられる、パネルデータ分析など多くのデータを扱うことができるといった特性や、統計ソフトを使った分析のイメージについて学ぶことが出来ました。 54 ファイナンス 2023 Nov.(4)「統計ソフトを活用してみよう」
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