ファイナンス 2023年11月号 No.696
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経済編データ分析編*1) 詳細は、「PRI Open Campus 15 財政経済理論研修 理論や分析に裏付けられた政策の企画立案のために」(『ファイナンス』2023年1月号p.71-77)平成30(2018)年入省。大臣官房秘書課で採用及び働き方改革等を担当後、大阪府庁に出向。帰任後、主税局調査課での勤務を経て、令和5(2023)年から現職。(大臣官房総合政策課安全保障政策係長兼務)「経済学的思考を身につけよう」藤原一平 慶應義塾大学教授「良い経済って何?」(全3回)上田淳二 財務総合政策研究所総務研究部長「データ分析を仕事に活かそう」宮川大介 早稲田大学教授「統計ソフトを活用してみよう」菅谷勇樹 一橋大学大学院非常勤講師・株式会社フィンデクス取締役【R】山澤成康 跡見学園女子大学マネジメント学部教授・東京財団政策研究所主席研究員【EViews】財務総合政策研究所 総務研究部 研究官  成田 旭宏 ファイナンス 2023 Nov. 51(参考)今年度研修の実施内容と講師成田 旭宏 財務総合政策研究所 総務研究部 研究官1.経済・データ分析研修の目的と概要本研修では、財務省の職員が、経済学の基礎知識の習得に加えて、業務に役立つ実践的な技能やデータ分析技能の習得を目的として、その導入となる講義を行っています。財務総合政策研究所(以下、「財務総研」)では、内外財政経済に関する基礎的又は総合的な調査及び研究だけでなく、財務省職員に対する様々な研修を行っています。今月のPRI Open Campusでは、本年7月から8月にかけて実施した「MOF職員のための経済・データ分析入門」研修(以下、「経済・データ分析研修」)に焦点を当て、研修内容及び経済分析能力強化に向けた取組について、「ファイナンス」の読者の皆様にご紹介できればと思います。今年度は、前半を「経済編」、後半を「データ分析編」と題して、各分野で活躍されている5名の先生方に全7回の講義を実施いただきました。「経済編」では、経済学の基本的な考え方や入門レベルの経済理論を財務省の業務と密接に関わる分野(財政・金融政策、物価、金利)と絡めて解説いただくとともに、「データ分析編」では、データ分析の組織の意思決定への活用方法や実際に統計ソフトを用いた分析例を紹介いただきました。研修の実施にあたっては、主な受講者層が経済学を本格的に勉強した経験のない若手職員となっていることから、本研修を通じて、受講者に経済分析への興味・関心を持っていただき、「財政経済理論研修*1」(以下、論研)等、より本格的な経済理論を学ぶ研修や、総務省、内閣府が実施している計量経済分析の実習、SNA等の経済統計の理解を深める研修等へと繋げていくことに主眼を置いています。これまでも、財務総研では職員への研修として、「経済学研修」を行ってきましたが、近年は、大学等で教わるような理論だけでなく、実践への接続を意識したものとし、実際に財務省で働く中で求められる経済分析能力の向上に資するよう、内容の見直しを進めてきています。形式面でも、多忙な職場で業務時間中の受講が難しい職員にも受講してもらえるよう、ランチミーティングの形で昼休憩時間に実施したり、参加人数に物理的な制約のないTeamsを使ったオンライン開催とした25「MOF職員のための経済・データ分析入門」研修 職員の経済分析能力強化に向けて

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