ファイナンス 2023年11月号 No.696
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講師略歴石渡 美奈(いしわたり みな)ホッピービバレッジ株式会社 代表取締役社長立教大学文学部卒業後、日清製粉(現:日清製粉グループ本社)に入社。人事部に所属し、1993年に退社。広告代理店でのアルバイトを経て、1997年に祖父が創業したホッピービバレッジに入社。広報宣伝を経て、2003年取締役副社長に就任。2010年より現職。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了(MBA)、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(SDM修士)。ニッポン放送『看板娘ホッピーミーナのHoppy Happy Bar』パーソナリティ、2015-2016年度東京愛宕ロータリークラブ会長、一般社団法人新経済連盟 幹事、さわやか信用金庫総代、学校法人立教学院評議員、早稲田大学商議員、Super GT 300クラスHOPPY team TSUCHIYAチームオーナー、一般社団法人全国清涼飲料連合会 企画委員会所属。著書に、『社長が変われば会社はかわる!』(阪急コミュニケーションズ)他多数。令和5年度夏季職員トップセミナー廃して社会人としての基礎、考え方、ホッピービバレッジの社員としての考え方を身に付ける段階だ、ということで基礎教育を徹底して、そのあと「守」「破」「離」としていきます。実は最近入社してくる学生や弊社を受けに来てくれる学生がどうも幼くなっているように感じることがあります。私は上智大学地球環境学研究科に今年入学して学んでいますが、一昨日環境教育の先生とお話したところ、今の学生は学力が落ちている、とにかくものが書けないし、本も読めないし、思考力も落ちている、というようなことをおっしゃっていました。この彼ら彼女らが3年後社会に出てくるわけです。企業教育のあり方も一から見直しになるし、非常に力を必要とする課題だと思っていますが、彼ら彼女らを社会人として育成できるよう成長あるのみと考えています。パンデミックの最中、都内ではいわば禁酒法のような状態に陥ったことも怖かったのですが、それ以上に怖かったのが、企業として今後どう在るべきかです。3年間という時間をかけて、全世界共通してパンデミックを経験させられると、人の価値観は絶対に変わりますよね。経営者としても企業としても、求められるものが必ず変わるはずで、それに応えられなければ存在が許されない、それをキャッチしないと大変なことになる、と思っておりました。そこでいろいろな方とお話して、経営者として世界の課題に取り組むことにいたしました。貧困問題や少子高齢化問題などいくつか候補はあったのですが、祖父・父がずっと無駄にしない、もったいないという精神で製品づくりを進めておりましたので、地球環境問題に取り組むことといたしました。そして昨年の2月26日10時13分に始動いたしましたのが「HOPPY EARTH PROJECT」です。まずはご家庭でもできる簡単なこと、それからホッピービバレッジの取り組み46項目をWebに上げました。それを漫画にして書籍化いたしました。今後これを英語、中国語、スペイン語にも訳して全世界に発信していく予定です。このほか、黒字の中小企業が事業承継者不在のために倒産し、これが年間に22兆円もの損失をもたらすという事実を知り、事業承継の魅力についても発信しています。やはり最終的には思考を変えないといけないと思っています。虎ノ門、愛宕周辺もそうですが、我が家のある赤坂周辺でも再開発が進んでいます。1985年から86年に建てられた、まだまだ新しい建屋がいとも簡単になくなりました。そのあとに40階の建物が建つそうですが、取り壊された建屋の廃棄物はどこに行くのだろうか? 都心にはもう人が来ないのにこの40階建はどうなるのだろうか? などと思ってしまいます。これからの時代に求められるものと違うことが世の中で進んでいるようで、私たち一人一人が思考を変えなければ地球沸騰化は進むのみと考え、企業として・個人としてできることに今後も一つ一つ取り組む所存です。ご清聴ありがとうございました。(以上)最後に昨夏、パートナー企業として関わりを持たせていただいている瀬戸内国際芸術祭の繋がりの中で、公益財団法人福武財団の福武理事長から「人生、仕事、生き方に感激は必須だ。感激こそが推進力なのだ。だから、石渡さん、初心を忘れるなよ。」と教えられました。まさしくそうだなと思います。初心を忘れずにお隣の地赤坂でホッピー頑張ってまいりますので、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。 50 ファイナンス 2023 Nov.オ)HOPPY EARTH PROJECTなどカ)思考を変える

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