*1) 前倒債については服部・稲田(2020)を参照。(注1)各計数ごとに四捨五入したため、計において符合しない場合がある。(注2)カレンダーベース市中発行額とは、あらかじめ額を定めた入札により定期的に発行する国債の4月から翌年3月までの発行予定額の総額をいう。(出所)財務省 ファイナンス 2023 Nov. 31齋藤通雄氏に聞く、日本国債市場の制度改正と歴史(後編)図表3 2011年における国債発行計画(第三次補正時)ただ実は、個人向け国債で、復興国債を出しているんですよ。個人向け復興国債とか、復興応援国債とかです。これは一般の個人向け国債とは別に、復興のためだけに資金使途を特定した個人向け国債として出していて、買ってくれた投資家の方には、当時の安住財務大臣からの感謝状をお渡しするとか、そういうこともやっていました。個人向け復興応援国債の宣伝にも、震災の復興支援ということで、横綱白鵬関、澤穂希選手やAKB48が極めて低い価格で広報のポスターなどに出演してくれました。服部 2011年度の国債発行計画補正(復興財源確保の前倒債減額対応)について印象に残っていることはございますか。国債発行増を抑え、前倒債による対応がメインだったと理解しています*1。齋藤 東日本大震災からの復興に対応するための本格的な予算対応がなされたのは、2011年10月に編成された第3次補正予算でした。この補正で、11兆円を超える復興債を発行することとなり、国債発行計画も修正することになったわけですが、カレンダーベースの発行で入札を増やした部分は限定的で、半分以上は前倒債の減額など年度間の調整で飲み込みました。これは、2011年度が既に半分以上進行していて、機関投資家の購入も年度の運用計画に従ってそれなりに進捗している状況だったので、入札による月々の発行額を増やすのに限界があったためです。入札を増やしたのは、相対的に吸収余力のあるやや短めの年限、2年と5年だけでした。ただ、年度間の調整は、増発のタイミングをずらすだけですので、次の2012年度当初の発行計画では、国債発行総額が前年度の補正後よりも7兆円減るにもかかわらず、10年債、20年債の入札規模を増額せざるを得ませんでした。国債増発に前倒債減額で対応することは、増発のマーケットインパクトを抑える効果はありますが、時点をずらすだけで本質的な解決ではないことは押さえておく必要があるでしょう。ÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿÿxyz{ qÿÿsqÿÿsxyz{~xyz{|}xyz{y~))'!($"))'!($" $!)$"tuvwN-./012145678## ! ""## ! ""))'!($"))'!($"))'!($"5Iv .1¡ ¢£nW¤¥¦MNDE*%(!$"&*!#""%"!(""&*!#""#'!'""N678FGL#'!'""*
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