写真 4 主計局文部科学第一係調査主任 吉岡 拓野写真 5 大臣官房総合政策課 寺井 理子大空幸星さん 議事録に残る形で言うことが大事だとは思いつつも、1週間前の打合せで自分が何を話したのか、忘れていることがあったりもします(笑)。大空幸星さん みなさんは現在霞が関の本省で働いていますが、地方に異動することもあるのでしょうか。寺井係員 若手のうちも含めて、地方で勤務する機会はあります。本省では、日本や世界の全体像を見て仕事をしていますが、都道府県ごとに見たら全く異なると思いますし、個別の企業などへのヒアリング等を通して現場で何が起きているのかを見る機会になると思っています。成田係長 私も、大阪府庁へ出向していたのですが、地元企業やNPO等と連携して事業をさせていただいたことは、とても勉強になりました。大空幸星さん 地方への異動は、ヒアリング等を通して実際に現場で起きていることを知るなど、いろいろな情報に接することができる良い仕組みだと思います。一方で、現場の当事者が言っていることが必ずしも全体を ファイナンス 2023 Nov. 13代表する意見とは限らないので、難しさはありますよね。当事者性を持っている人、例えば「本当に経営が厳しいんです」と言う人の話は耳に残るし心にも響きます。ただ、それに応えることが必ずしも正しいわけではないときもあって、会社自体は倒産しても良いというケースも実際にはあると思います。仮に会社が倒産したとしても、そこで働いている人が別の職にありつければ良いわけなのですが、日本では補助金などによってとりあえず「会社を救おう」という方向性になってしまっています。吉岡主任 直接話を聞くことで、数字を見たときに、人の顔と言うか、現実社会で何が起こっているのかということを想像できるようになることが重要だと思っています。成田係長 現場の声の一例として、Twitter等のSNSもよく見るのですが、政府が打ち出したメッセージと、その伝わり方の間には大きなギャップがあると感じています。大空幸星さん SNSの世界では、財務省って何かと陰謀論に紐付けられちゃっていますよね。成田係長 そのように見られていることは認識しておく必要があり、その上で自分たちの仕事をどう正しく伝えていくかという点において、職員が顔と名前を出して広報していく機会を増やすことは財務省としても大切だと思っています。吉岡主任 多くの人は財務省と聞くと、ニュースでよく流れる正門前の看板を思い浮かべると思います。個々の職員の顔が浮かぶ人はあまりいないのではないでしょうか。「組織が言っている」というのと「あの人が言っている」というのでは、情報の伝わり方はやっぱり違うと思うので、こういった形での情報発信は大事だと考えています。大空幸星さん 職員の人がメディアに対して直接発信していく機会を作っていっても良いと思います。成田係長 大空さんが情報発信をしていく上で、何か気を付けていることはありますか。大空幸星さん 陰謀論やデマ等に対しては、真面目に対応するとそのデマの価値を逆に高めてしまうので、影響力のある人がデマを拡散しないようにすることに現場の声を聴くことについて情報の発信と伝わり方について
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