CASECASEファイナンス 2023 Oct. 5北海道では、過疎地の高校を中心に、進路希望に対応した教科・科目の開設が困難な小規模高校が増加している。令和3年4月、これらを一元的に支援し、オンラインで授業を行うこと等を目的とした、北海道高等学校遠隔授業配信センター(T-base)が開設された。同センターの公民科担当教諭等と連携し、これまで提供機会がなかった過疎地の小規模高校において、財政教育プログラム(財務局が小・中・高校生を対象に実施している国の予算編成を疑似体験する出前授業)盛岡財務事務所では、連携先である岩手県矢巾町がまちづくりに活用している「フューチャーデザイン(FD)」の考え方を財政教育プログラムに取り入れ、県内の中学・高校・大学等で展開し、若年層が将来世代の視点に立って日本の財政を考え、活発に議論する機会を創出した。矢巾町と盛岡財務事務所は同町の財政状況に関する住民説明会を共同で開催するなど、以前から連携関係にあった。他方、同町では従来からまちづくりにFDの考え方を活用してきたところ、これを財政教育プログラムにも活用できるのではないか、との発想から実施に至った。令和3年10月の大学生向けを皮切りに、令和4年度以降は中学生、高校生にも順次展開。新聞記事などの各種メディアにも取り上げられている。盛岡財務事務所では、矢巾町から学んだノウハウを取り入れながらFDを活用した財政教育プログラムの実施先の拡大につなげていく。グループワークの様子を実施した。その結果、北海道は広域で、かつ、過疎化した地域が多く存在するという特徴のある中で、都市部の高校と同様の教育環境を得たいという地域のニーズに応えながら、日本の財政に興味を持つ機会を拡大することができた。今後、遠隔授業が導入される学校の増加が見込まれており、同センターと引き続き連携し、ネットワークを活用しながら、過疎地の小規模高校での財政教育プログラムの提供機会を拡大していく予定。フューチャーデザイン(FD)とは「数十年先の未来からタイムマシンで飛来した未来人」という仮想の下、「将来世代がよりよく生きるため」という観点から思考・検討・議論する手法。(左)豊富高校でのグループワークの模様。 旭川財務事務所職員が訪問 (令和4年11月9日)(右)T-baseでの配信の様子北海道財務局及び旭川財務事務所東北財務局盛岡財務事務所 過疎地の小規模高校での財政教育プログラムの実施フューチャーデザインを活用した財政教育プログラムの展開0506広報相談に関する取組
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