ファイナンス 2023年10月号 No.695
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【試合の模様】 64 ファイナンス 2023 Oct.(3)第2試合〈前半〉(メンバー)GK:田村DF:星原(→片山)、中井、冨田(→田所)、阿部MF:尾野(→大滝)、堀江、毛利、堀川武FW:小森、露本(模様)ホームでの必勝を期して臨んだ第二戦。日本は多少のベテラン勢を投入してスタート。DF中井が積極的に中盤まで上がりゲームメイキングをするなど、第一戦よりも攻撃的に攻める日本。積極的に右サイドの尾野と星原で攻め込み、たびたびチャンスを創出するも、その後ろのスペースを活用されるという難しい展開。左サイドの阿部と冨田は引き続き安定したディフェンスでリズムを渡さない。前半途中からは、右サイドに大滝と片山を投入。左サイドの堀川武と毛利でボールを運び、小森の強力なロングパスから、右サイドでスペースをつくった大滝に渡すという流れができるも、いまいち積極的に攻め込めない大滝。サッカーがメンタルスポーツであることがよくわかる一面だった。日本右サイドをNo.45ベ・テランで攻めてくる韓国だが、ここは、前回大会夜の部の覇者(フラフラになるまで飲み明かした!)である片山が身体を張って食い止め続ける。この一対一の攻防は今大会のハイライトともいえるほど激しく、まさに伝統の日韓戦を感じさせるものだった。一進一退の攻防が続く中、ついに韓国がスコアを動かす。CKのこぼれ球から、一瞬の隙をついて冷静にゴールに流し込む。さすがのGK田村もノーチャンス。失点直後には、前半最大のチャンスが日本に訪れる。堀江の右サイドからの素晴らしいクロスに最後はファーサイドの露本。シュートは枠を捉えられずに前半終了。〈後半〉(メンバー)GK:田村DF:片山(→山田)、中井(→黒木)、田所(→芦川)、岩下MF:堀川和、大滝(→片岡)、堀江(→眞岩)、田中FW:露本(→玄番)、坂口(模様)ホームでの負越しは絶対に許されない日本チーム。逆転を期して後半に臨む。両チームともに疲れの見える中、確かな技術力を持つ選手が輝きを増す。堀江のゲームメイキングから右サイドの山田が駆け上がり、何度も鋭く美しいクロスを提供するもなかなかゴールにつなげられない。また、この試合圧巻だったのは、3年ぶりのサッカー出場となるという田所。肌の黒さだけでなく、かつての圧倒的なディフェンス力はいまでも健在だった。DFとMFの間で安定したボール回しを行い、坂口と堀川に縦につけて攻撃を加速し韓国を責め立てる日本。猛攻が実るかにみえたのは75分。ゴール前まで人数をかけて攻め込み、最後は堀川がゴールに流し込むもその直前のプレーがオフサイドとの判定。しかし、その直後に本物の歓喜が訪れる。何度も韓国ディフェンス陣に挑んでいた玄番が矢のようなミドルシュートを韓国ゴールに突き刺す。同点に追いついた日本だが、目指すは逆転勝利のみ。さらに猛攻をしかけるも、追加点を奪えずに試合は終了。双方の持ち味が存分に発揮された第18回日韓戦は、2引分けという結果に終わった。

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