ファイナンス 2023年10月号 No.695
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(億円)10,0009,0008,0007,0006,0005,0004,0003,0002,0001,000910111219101112120202021金額(左軸)件数(右軸)(件)8070605040302010910111210034567823456782345678230701 20222023(出所)日本銀行「日銀短観」(出所)日本政策投資銀行HP、財務省HPファイナンス 2023 Oct. 49(図3)資金繰り判断DIの推移新型コロナにおける中堅・大企業に対する政策金融支援について規模別・全産業「楽である」超「苦しい」超製造業非製造業*12) 内閣府「経済対策等」 *13) 日本政策投資銀行「第13期中間期(2020年9月期)決算について」 https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/keizaitaisaku.htmlhttps://www.dbj.jp/ir/■nancial/corporate-report.html(出典)日本銀行「全国企業短期経済観測調査(短観)」(%ポイント)302010全規模・全産業大企業・全産業中小企業・全産業▲10▲20▲30369123691236912369123691232318大企業・製造業大企業・はん用機械大企業・自動車中小企業・製造業中小企業・はん用機械中小企業・自動車192021192021192021(%ポイント)50403020100▲10▲20▲30▲40▲50119369123691236912369123691232318(%ポイント)80604020▲20大企業・非製造業大企業・対個人サービス大企業・宿泊・飲食サービス中小企業・非製造業中小企業・対個人サービス中小企業・宿泊・飲食サービス▲40▲60▲80369123691236912369123691232322182222援に取り組むことが政府方針として打ち出された。*12「危機対応業務」開始後の融資実行の推移を見ると、新型コロナの感染が拡大し緊急事態宣言が発令された令和2年5月、6月の時期に、自動車製造業や飲食・宿泊業等をはじめ中堅・大企業の資金繰り判断が急激に悪化したことから、危機対応融資の実行の最初の大きな山が到来した。「危機対応業務」開始後6ヶ月経過時点での累計実行額について過去の危機と比較すると、リーマンショックに端を発する金融危機は1.4兆円、東日本大震災は0.4兆円であったのに対して、今回の新型コロナでは2.0兆円の貸付実績が積み上がっており、これまでの危機事象に比べても積み上がりのペースが早いことが特徴的であった。*13これは、今回の新型コロナについて、世界的な感染症という過去に類を見ない危機事象であったため、感染拡大開始当初の時点でどの程度継続するか先行きが見えづらかったことに加えて、当時はまだ社会として対処方針が確立されていなかったことから、過去の危機事象と比して幅広い業種の事業者が手元流動性を確保して備えるべく資金調達を急いだことを反映した結果と推察される。新型コロナの感染拡大が継続する中、政府系金融機関への新規融資申請が殺到する状況を受け、令和2年6月12日に成立した令和2年度第2次補正予算において、中堅・大企業への資金繰りに万全を期すために、政投銀の危機対応融資の融資枠がそれまでの約5兆円から約10兆円に拡充された。その後は、感染動向に応じた新規融資申請件数の変動はあるものの、飲食・宿泊業や運送業といった、新型コロナによる人流抑制の影響を特に受けた一部業種を除いて、中堅・大企業の資金繰り需要は総じて落ち着いていき、それに伴い、令和3年後半からは新規融資件数・金額は低位で推移し、令和4年4月以降は月によっては新規融資申請がない状況まで落ち着いていった。(図2)政投銀の「危機対応業務」の実績資金繰り判断DI

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