ファイナンス 2023 Oct. 13写真 5 主計局給与共済課課長補佐 関谷 遥香 という意識を持っているかどうかがものすごく重要なことだなと思います。関谷補佐 私は、夫も含めて実家が遠いので、子育てを両親に頼むことは難しいです。自分と夫とベビーシッターさんで交代して子育てを乗り切っています。眞鍋さんはどうされているんですか?眞鍋かをりさん 私は両親にも手伝ってもらいます。ご両親が遠いとなかなか難しいところもありますよね。ベビーシッターといえば、一時期、接待交際費としてキャバクラに支払う費用が税制上の必要経費として認められるのに、ベビーシッター代は認められないのかということが、個人事業主さんを中心に話題になったこともありました。高橋主査 確かに、個人事業主の方、特にシングルマザーで働かれている方等からすると、仕事をしていくためにベビーシッターを利用することは必要不可欠な場面も多いと思いますので、それこそ必要経費といえますよね。関谷補佐 同じ関連では、以前、ベビーシッター利用のための助成金が課税対象かどうかといった議論があり、霞が関でも声をあげる女性がいました。政策を立案する側に当事者、女性がいることでできることもあるのだと思います。眞鍋かをりさん やはり当事者がいないと、本気で頑張ってくれる人がおらず、生まれないこともありますよね。高橋主査 財務省の中も徐々に変わってきているところかな…という感触ですが、職員の中にも共働きも増えていますし、多様な職員が活躍するようになってきているとは思います。眞鍋かをりさん 職場には、託児所などもあったりするんですか。高橋主査 はい。私も育休明けに利用していました。財務省は定期人事異動が7月なのですが、保育園に空きが出るのは年度替わりの4月頃しかないので、その意味で職場の保育園は4月でなくても入れて、非常に助かりました。恵﨑室長 それも職場内のアンケートを基にして実現したものです。他にも、省内には女性休養室というものがあります。高橋主査 男性だと休憩時間に自分の席で寝て休憩したりしているのですが、女性はなかなかしづらいので、特に体調が優れない時等はそういった休養室があると非常にありがたいです。先ほどの職場内アンケートは、数年前から始めている「財務省再生プロジェクト」の一環で行われたのですが、当初はコンプライアンスの確保を軸にやっていましたが、併せて組織の働き方の改善、組織風土づくり等、総合的に財務省という職場を良くする活動に取り組み続けています。本活動の取組により、コロナ禍も相まって、ここ数年で財務省のテレワーク環境は劇的に改善されました。必要な場合には自宅から仕事ができるという選択肢が増えるという点において女性職員の活躍の幅も広がったように思います。眞鍋かをりさん 子ども関係の支援は異次元の対応と言われていますが、親目線でいえば嬉しい部分もあるものの、やはり財源とセットで考えないといけないものなのでしょうか。また、こうした点も含めて、省内ではいろいろな意見の違いというものも、あるものですか。関谷補佐 支援を持続可能なものにしていくためにも、財源とセットで議論をすることは重要だと思います。また、意見については、比較的言いやすい環境ができていると思っていて、若い人でも一理あるなと思われれば、しっかりと耳を傾けられます。昔から議論好きの役所だと言われていますが、昔は今より、上司の言った内容にはあまり意見を言い難い場面もあったかもしれませんが。財務省の組織風土について
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