ファイナンス 2023年9月号 No.694
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4 4 経済・財政概況(1)経済((社社・・軒軒))(備考)「タイ日系企業進出動向調査年」及び「年度タイ国日本食レストラン調査」より作成。〈グラフ2 日系企業・日本食レストラン数〉(備考) JETRO「タイ日系企業進出動向調査2020年」及び「2021年度タイ国日本食レストラン調査」より作成。〈 スシローの様子。タイ人家族連れが1時間待ちで並んでいるのを見ると、思わず笑ってしまいます。〉グラフ2日本食レストラン数日系企業数<スシローの様子。タイ人家族連れが1時間待ちで並んでいるのを見ると、思わず笑ってしまいます。>*13) タイ運輸省陸運局財務アタッシェの業務として、日本酒類の販路開拓・輸出促進も担当しているところ、日本酒類のインポーターの方とお話することが多いのですが、日本酒や日本ウイスキーの人気も上々で、これらの輸入やレストランへの卸売も伸びていると聞きます。タイの若者は梅酒やリキュールなど、甘いお酒を好む傾向がありますが(試飲会では大人気)、日本酒や焼酎・泡盛等、他の酒類の若者層への知名度向上もどんどん図っていきたいと思っています。ファイナンス 2023 Sep. 43コラム1日本食・酒類ブームバンコクには、日本人が多く暮らすスクンビットエリアに限らず、至るところに日本食レストランがあり、常にタイ人や観光客でにぎわっています。知り合いのタイ政府職員は「外食のプライオリティはまず日本食。タイ料理、イタリアン、中華はその次だ」と言っており、日本人でいう「イタリアン行くか」というような感覚で、日本食がよく選ばれている印象です。日本食のバラエティは日本とも■色ないほど豊かで、定食屋や居酒屋、ラーメン屋、回転寿司から、焼肉やOMAKASEと呼ばれる高級寿司まで、各所得層のニーズ・シチュエーションに応じて見つかります。3万台となっており*13、乗用車販売台数の約10%をEVが占めるようになりました。なお、そのうち8割超は中国系です。タイ政府は、タイへのEV投資に関し、タイ投資委員会(BOI)による投資恩典付与で後押しをしており、中国自動車メーカーが生産拠点を構えることを次々に発表しています。このEV普及の波、タイ政府のEV振興策にどう対応していくのかが、日系自動車・自動車部品業界の懸案といえます。製造業以外では、サービス業、特に日本食レストランの増加も特徴的です。コロナ禍においても減少することなく、2022年時点で5,325軒もの日本食レストランがあります。筆者は和食派ですが(本場タイ料理は最高です。でも毎日食べるにはカロリー・塩分がネック)、海外でここまで和食に困らないことに驚きます。同時に、タイ人や観光客にも大人気である様子を見ると、日本人であることが非常に誇らしいです。タイは親日国とよくいわれますが、日本企業がタイの経済成長を支え、自動車や和食などタイ人の生活の中に日本が根付いていることが、日本への理解につながっているからではないかと感じます。タイ経済はコロナ禍からの回復基調が続いています。コロナ禍の2020年の実質GDP成長率は前年比▲6.1%と落ち込みましたが、2023年Q2は1.8%(前年同期比)と、コロナ禍前の水準まで回復しています。これは、コロナ禍の行動制限緩和等による民間消費回復、農業部門の成長、観光業界の回復、海外需要の回復による輸出増等が寄与しています。GDPを産業別にみると、コロナ禍で壊滅的なダメージを受けた「宿

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