ファイナンス 2023年9月号 No.694
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(注)本稿におけるゲームとは、モバイル・家庭用・PC用等、デジタル形式で提供されているゲームコンテンツの総称を指す。(出所)一般財団法人デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書」、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム「モバイルコンテンツ関連市場規模」、一般社団法(出所)経済産業省「コンテンツの世界市場・日本市場の外観」、PwC「グローバルエンタテインメント&メディアアウトルック」、一般社団法人ライセンシングインターナショナルジャパン「グローバルライセンシング調査」、株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2022」、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会「ゲーム白書2022」、一般財団法人デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書」、GPC中国遊戯産業研究院(2021)「中国遊戯産業報告」(図表1)日本のデジタルコンテンツ市場規模(億円)120,000100,00080,00060,00040,00020,0000(図表4)世界のデジタルコンテンツ市場規模(百万米ドル)400,000350,000300,000250,000200,000150,000100,00050,0000・近年、日本におけるデジタルコンテンツ(デジタル形式で扱われるコンテンツの総称)の市場規模は9兆7,611億円(2021年)と、スマートフォンやタブレットの普及により拡大を続けている(図表1)。・日本のデジタルコンテンツ市場の詳細をみると、モバイルコンテンツ市場(スマートフォン等でのコンテンツ消費)が成長しており、中でもゲーム・ソーシャルゲーム等の占める割合が大きい(図表2)。・ゲーム・ソーシャルゲーム等に着目し、日本由来ゲームコンテンツの海外展開の動向をみると、家庭用ゲームはコンテンツ力の強さから存在感が窺える一方で、オンラインゲームは低位に留まっている(図表3)。・世界のデジタルコンテンツ市場に目を向けると、日本の市場同様、右肩上がりでの推移となっており、特にゲームが占める割合は全体の約4割強と大きく、その額も拡大を続けている(図表4)。・ゲーム市場について2021年の地域別売上シェアをみると、中国を中心とした東アジアが40.3%と最大シェアを占めている。次いで北米が29.3%、欧州が18.6%と続いており、アジア圏のゲーム市場の大きさがみられる(図表5)。・アジア圏においては中国がゲーム市場を牽引しており、中国のゲーム市場規模は5兆9,303億円(2021年)と、日本のゲーム市場規模である2兆3,389億円(2021年)の約2.5倍の規模感である(図表6)。中国の約14億人もの人口やスマートフォン等の普及が、市場の成長に寄与しているものと考えられる。人日本オンラインゲーム協会「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート」動画ゲーム複合型音楽・音声静止画・テキスト2012131415161718192021音楽出版映像ゲーム2014151617181920212223(図表2)モバイルコンテンツ市場規模(億円)35,00030,00025,00020,00015,00010,0005,0000(図表5)世界のゲームコンテンツ市場シェア2016ゲーム・ソーシャルゲーム等動画・エンタテインメント電子書籍音楽コンテンツその他17181920その他11.9%欧州18.6%東アジア40.3%北米29.3%(図表3)日本由来コンテンツの海外売上高(億円)40,00035,00030,00025,00020,00015,00010,0005,0000(図表6)中国のゲーム市場規模オンラインゲーム家庭用ゲーム212019(億円)70,00060,00050,00040,00030,00020,00010,000020121314151617181920212021 34 ファイナンス 2023 Sep.大臣官房総合政策課 調査員 木下 裕也/田矢 祐樹本稿では、日本が強みを持つゲームIP(知的財産)を中心に、デジタルコンテンツ産業の展望について考察する。コラム 経済トレンド111拡大するデジタルコンテンツ市場世界の市場規模/堅調なゲーム市場日本のデジタルコンテンツ産業の展望

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