ファイナンス 2023年9月号 No.694
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(出所)財務省1. 発行日2. 応募額3. 募入決定額4. 募入最大利回格差5.  募入最大利回格差に 6. 募入平均利回格差流動性供給(第383回)入札結果本日、入札参加者に対し流動性供給入札について、下記のように募入決定を行いました。係る案分比率記令和5年6月8日財務省令和5年6月9日額面金額で1兆5,474億円額面金額で4,992億円+0.003%68.7280%+0.002%(出所)財務省流動性供給(第383回)入札において追加発行した国債の銘柄銘柄10年債10年債10年債10年債10年債20年債20年債20年債20年債20年債20年債20年債20年債20年債30年債入札予定日5月2日(火)国庫短期証券(3ヶ月)(第1154回)5月2日(火)流動性供給入札(残存期間1年超5年以下)5月9日(火)国庫短期証券(6ヶ月)(第1155回)5月9日(火)10年利付国債(第370回)5月11日(木)30年利付国債(第78回)5月12日(金)国庫短期証券(3ヶ月)(第1156回)5月15日(月)5年利付国債(第158回)5月17日(水)20年利付国債(第184回)5月18日(木)国庫短期証券(1年)(第1157回)5月19日(金)国庫短期証券(3ヶ月)(第1158回)5月19日(金)流動性供給入札(残存期間5年超15.5年以下)5月23日(火)10年物価連動国債(第28回)5月25日(木)40年利付国債(第16回)5月26日(金)国庫短期証券(3ヶ月)(第1159回)5月30日(火)2年利付国債(第449回)回号3513523533673681021031041051061071081101161入札対象国債等令和5年6月8日財務省発行額(額面ベース)2,7268661720010048513093883517420202513図表8 流動性供給入札の結果図表9 流動性供給入札において追加発行した国債の銘柄図表10 入札カレンダー(2023年5月)(単位:億円) 26 ファイナンス 2023 Sep.図表8が流動性供給入札の結果ですが、応募額に加え、募入決定額、募入最大利回格差、募入最大利回格差に係る案分比率、募入平均利回格差を公表しています。図表8の結果の場合、売買参考統計値に対して、平均的には+0.002%(募入平均利回格差)だけ金利が高い水準で発行されており、発行予定額ギリギリとなる金利は+0.003%(募入最大利回格差)であったことを意味しています。募入最大利回格差に係る案分比率は68.7280%ですが、これは図表7における例の様に、発行予定額ギリギリとなる金利での応札額が発行予定額を超えたときの案分比率になります。この結果でいえば、読者が+0.003%(募入最大利回格差)で、100億円応札していれば、おおよそその69%(69億円)落札できるということを意味します。市場参加者が入札結果を判断する上で参照する「テール」は「平均価格」と「最低価格」の差で計算されますが、この場合、テールは0.002%(募入平均利回格差)と0.003%(募入最大利回格差)の差である0.001%ということになります(入札の結果を測る指標として、その他に応札倍率などがありますが、国債の入札結果の詳細を知りたい読者は石田・服部(2020)のBOX4を参照してください)。図表9が流動性供給入札で追加的に発行された銘柄の一覧ですが、このように入札ごとにどの銘柄がいくら発行されたかが開示されます。発行対象予定銘柄に含まれていながらここに記載されていない銘柄は、入札対象であったものの、前述の入札のメカニズムに従って発行されなかったということになります(そもそも応札がなかった、または、応札されたものの応札された金利が高かった(価格が低かった)と解釈されます)。以上が流動性供給入札の流れになりますが、前述のとおり、現在、流動性供給入札は月に2回実施されており、隔月で異なる年限の国債の供給を行っています。具体的には、残存5年~15.5年のゾーンを対象3.3 入札結果の見方3.4 隔月で異なるゾーンの入札を実施

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