ファイナンス 2023年9月号 No.694
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図 1 財務省が発行する各種パンフレット 6 ファイナンス 2023 Sep.税を払っていて、トータルでいくら税や保険料を負担しているのかという具体的なイメージです。その大学の人気就職先の初任給や周辺家賃等を事前にしっかり調べていきます。こうした身近で具体的な数字に触れることで、「皆さん、税や保険料を払って社会を支えているので興味を持つべきじゃないですか」と自分ごと化されるのではないかと考えたからです。伊沢拓司さん 非常にいいですね。自分の将来の給与明細というのは、税を身近かつリアルに感じられる、キラーコンテンツだと思います。そうした負担に応じた受益をできているのか、という視点は「自分ごと」になってきますよね。青木官房長 当然、若いうちは負担より受益が少ないと思いますが、病気になったとき、歳をとったときなどの助け合いの仕組みに関わっていることを身近なところから意識してもらえることが大事だと思います。伊沢拓司さん たしかに、自分が参加しているフットサル場の会話でも、30代中盤くらいの方から一気にお金の話が増えているように感じます。病気やら子育てやらで自分のお金を使う中で、そこからの受益について考える機会が増えるからですかね。逆に言うと、実際に自分ごとになる前から負担と受益について考えてもらうのが広報的な役割なので、現状はもったいないですよね。ようやく金融教育も必修化されましたが、こういったお金の話について、例えば高校生が、身近にいる先生などからリアルなお金の話を聞ける機会などが増えるといいなと思っています。青木官房長 財務局では、以前から、子育て世代に、教育、住宅など身の回りのお金、それに備える資産形成の話をしてきていますが、身近なテーマなので、しっかり関心を持って参加していただいて、反響も良いと聞いています。伊沢さんもお話しされた30代中盤までの、若い人は税金を払うことについてどういったことを考えているのでしょうか。伊沢拓司さん みんな関心はあって、入り口の見

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