ファイナンス 2023年8月号 No.693
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ファイナンス 2023 Aug. 73(写真提供:田辺観光協会、南紀白浜観光協会)田辺市その名は、「備中屋長左衛門」が自らの屋号を取って付けたと言われています。発祥の地にある「道の駅紀州備長炭記念公園」内にある「紀州備長炭発見館」では、備長炭技術が日向や土佐に伝ぱしていった歴史を学ぶことができます。初めて食べるとその食感に誰もが驚く「モチガツオ」のほか、見た目はグロテスクですが味は秀逸の「うつぼ」や、全国でもごく限られた海域でしか取れない稀少な海藻である「紀州ひろめ」、など、新鮮な海産物をリーズナブルに味わうことができます。夜の帳が下りる頃、通りを歩くと賑やかな声があちらこちらから聞こえてきます。ないのが世界的博物学者「南方熊楠」です。欧米から帰国後、明治37年に田辺に居を定め、粘菌学、民俗学などの研究をしました。25年を過ごしグルメJR紀伊田辺駅の西側には、約200m×150mのエリアの中に、200店舗以上もの飲食店が軒を並べる和歌山県随一の飲食街「味光路」があります。偉人田辺にゆかりのある人物はたくさんいますが、外せた邸宅は当時のまま保存され、遺されていた25,000点以上の資料を収蔵している隣の「南方熊楠顕彰館」とともに田辺の観光スポットとなっています。その他、合気道の創始者「植芝盛平」、世界三大行進曲として有名な軍艦マーチの作詞家「鳥山啓」、様々な伝説を残す「武蔵坊弁慶」などの偉人を輩出しています。特に、すさみ町にある「フェニックス褶曲」は、大地を押し合う力でぐにゃっと曲がった世界的にも有名な岩です。また、白浜町には観光客で賑わう「千畳敷」、「三段壁」、「円月島」などのほか、知る人ぞ知る「鳥毛洞窟」などの穴場もあります。1日3便の飛行機が発着する「南紀白浜空港」を利用すれば東京から約1時間、大阪からは特急「くろしお」で約2時間の地にあり、歴史、文化、自然、様々な面を備えている「田辺」に是非一度、足をお運びください!!自然紀伊半島は、プレートの沈み込みで生み出された「火成岩体」、「前弧海盆堆積体」、「付加体」の3種類の大地から成る特異な景観が見られ、平成26年に「南紀熊野ジオパーク」に認定されました。おわりに今回紹介しきれませんでしたが、田辺には、450年余の歴史を持つ「田辺祭」や、職員も参加するゲタ踊りで有名な「弁慶祭り」などのイベントも開催されます。また、珍しい水門跡が残る「田辺城」(別名「錦水城」)と、世界遺産「鬪鶏神社」を結ぶ税務署界隈は、昭和の雰囲気が今も香る、どこか懐かしい、ホッとできるエリアです。

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