ファイナンス 2023年8月号 No.693
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ファイナンス 2023 Aug. 71田辺税務署 総務課長今竹 明子庁舎は昭和49年に新築されました。管轄は、和歌山県第2の都市「田辺市」と「西牟婁郡」(白浜町・上富田町・すさみ町)であり、管内面積は約1,459km2です。田辺市は平成17年に大合併し、関西で最も広い面積となりました。それに伴い、田辺税務署の管轄も、隣接する御坊税務署管内の「龍神村」と、新宮税務署管内の「本宮町」を編入・拡大しました。当署がある田辺市は、紀伊半島の中央から南西部を占め、平安時代から熊野詣で賑わった世界遺産「熊野古道」を擁し、江戸時代には、田辺領3万8千石、経済・文化・政治の中心地として繁栄しました。最近では、和歌山のウユニ塩湖として人気急上昇中の「天神崎」など、新たな賑わいを見せています。お隣の白浜町は、日本書紀にも登場する日本三古湯「白浜温泉」、白砂輝く「白良浜海水浴場」、パンダ4頭が暮らす「アドベンチャーワールド」などで有名です。数多くの名所、温泉、グルメなどがあり、バリエーション豊かで魅力満載の「田辺」を、紙面の許す限りご紹介します。はじめに田辺税務署は、明治29年11月に設置され、現在の紀伊山地の霊場と参詣道には、国宝4件、重要文化財23件の建造物をはじめ、多種多様な文化財があるほか、それらが自然を神とし仏としておそれ敬う精神を表していることなどが評価され、平成16年に世界遺産に登録されました。参詣道は「熊野古道」と呼ばれ、熊野の御子神を祀った「王子」が点在する「中辺路」、太平洋を望むことができる「大辺路」、高野と熊野を結ぶ「小辺路」などがあります。熊野詣の人々が最初に目指したのが「熊野本宮大社」です。「大斎原」と呼ばれる聖地には、高さ約34mの日本一の大鳥居がそびえ立っています。熊野では「八咫烏」が熊野権現の使いとして崇められており、3本足の鳥は日本サッカー協会のシンブルマークとしてもお馴染みです。世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道紀伊山地には、「熊野三山」、「吉野・大峯」、「高野山」の三つの霊場と、そこに至る参詣道が生まれ、平安時代以降、京の都をはじめ全国から多くの人々が訪れました。中世には、上皇や貴族のみならず、庶民に至るまで最も頻繁に利用され、「蟻の熊野詣」と称されるほど賑わいました。世界遺産、温泉、パンダ、 梅、偉人…魅力満載 田辺田辺市

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