ファイナンス 2023年8月号 No.693
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洲本税務署 総務課長萬野 俊義(おのころ島神社大鳥居)(絵島)淡路島は、南北55km、東西28km、周囲約216kmの細長い島で、面積は約596km2、琵琶湖の面積の約90%に相当し、シンガポールとほぼ同じ大きさです。署の沿革は古く、明治22年7月に兵庫県収税部洲本派出所として開設後、明治29年に洲本税務署と改称され、大正2年に現在地に移り、昭和49年に現在の庁舎が建設されています。税務署が建設されている場所は、江戸時代、徳島藩蜂須賀氏の支城であった洲本城の政務御殿城跡で、現在見られる石垣や塀は洲本市の史跡に指定されています。また、庁舎の正面には、樹齢100年以上の立派な松がある庭園を設けているほか、敷地への入口付近には、足湯温泉があるなど、珍しい立地に建設されています。はじめに洲本税務署は、瀬戸内海東部の島、淡路島の中央に位置しており、淡路島全域(洲本市、南あわじ市、淡路市)を管轄しています。国生み神話淡路島は、北は明石海峡大橋(平成10年完成)で神戸市と、南は大鳴門橋(昭和60年完成)で徳島県鳴門市と繋がっています。古くは徳島藩に属していましたが、明治維新後の庚午事変をきっかけに現在の兵庫県に編入されています。淡路島は、古事記や日本書記の神話によると、日本に最初にできた島であるといわれています。神話には、国土創世のため、二柱の神である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)が、生まれたばかりの混沌とした大地を天の沼矛(あめのぬまほこ)でかき回すと、矛先から滴り落ちた塩の雫が固まって「おのころ島」ができ、そのおのころ島で夫婦となった二神は、大八州(おおやしま)の国、日本を作ったとあります。そのとき最初に生まれたのが淡路島であるとされています。淡路島には、この国生み神話の中の「おのころ島」だとされる「おのころ島神社」、「絵島」、「沼島」など、島内のあちこちで神話の浪漫が漂っています。中でも、南あわじ市にある「おのころ島神社」には、京都の平安神宮、広島の厳島神社と並び、日本三大鳥居の一つがありますが、高さ22メートルの大鳥居は一際目を引きます。伊弉諾神宮は、古事記と日本書記に創祀(そうし)の記載がある日本最古の神社で、伊弉諾尊と伊弉冉尊の二神をお祀りする神社です。「古事記」、「日本書記」には、国生みに始まるすべての神功を果たされた伊弉諾尊が、最初に作られた淡 68 ファイナンス 2023 Aug.〔伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)〕国生み神話の地、 御食国の地、淡路島淡路島

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