ファイナンス 2023年8月号 No.693
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宮津税務署 総務課長松岡 健当署がある宮津市は、日本海の宮津湾に面し、日本三景の「天橋立」がある、海と山に囲まれた自然豊かな街です。歴史は古く、奈良時代に丹後国府が置かれ、政治・経済・文化の中心として栄えました。江戸時代に入ると北前船によって栄え、その栄華は南の祇園、北の宮津と称されるほどでした。主要産業は農林水産業と観光業であり、年間300万人(令和元年)を超える観光客が訪れる地域となっています。天橋立は、6,000本を超える青い松並木と白い砂が幅20~170mで3km以上続くとても美しい景勝地で、その景観は「白砂青松」と呼ばれています。はじめに宮津税務署は、明治29年に設置され、現在、京都府北部の宮津・与謝地域(宮津市、与謝郡伊根町・与謝野町)を管轄しています。管内の名所両端にある展望台では、「股のぞき」で眺めることによって、空と海の景色が逆になり、海が空となって天にかかる橋のように見えると言われているため、訪れた際は是非、試してみてはいかがでしょうか。天橋立は神話にも登場するなど、古くからその神秘的な地形そのものが信仰の対象となっていたようで、小倉百人一首に選ばれている和歌にも詠まれており、また、畳一枚分ほどの大きさで描かれた雪舟の「天橋立図」は国宝になっています。宮津市の北部にある与謝郡伊根町には、伊根湾の沿岸に約230軒の「舟屋」が軒を連ねています。「舟屋」は一階部分が船を収納するスペースとなっており、二階は漁具置き場や二次的な居住スペースになっています。湾の入口にある青島が防波堤の役割を果たしているため風の影響を受けにくく、波が穏やかで日本の原風景を感じさせる美しさが今でも大切に残されており、最近では客室・民宿にも活用されています。伊根町には浦島太郎伝説や徐福伝説が伝わり、有形・無形の文化財など多くの資源が残された魅力ある街で、「日本で最も美しい村連合」に加盟しており、 66 ファイナンス 2023 Aug.〔天橋立〕〔伊根の舟屋〕宮津市日本三景「天橋立」と宮津・与謝

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