ファイナンス 2023年8月号 No.693
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過去の「PRI Open Campus」については、 財務総合政策研究所ホームページに掲載しています。https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/index.html PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 22POLICY RESEARCH INSTITUTE, Ministry Of Finance, JAPANファイナンス 2023 Aug. 65現在IMFの財政局で審議役を務めています。12の課、400人からなる組織ですが、それを俯瞰する幹部10人の1人となります。いわゆる官房機能に近く、いくつかの課や機能を所掌しています。例えば、歳出面では、インフラ投資の質向上に向けた改革を主導しています。それについてはG20部会のIMF代表も務めており、このTFFのあと、インドにも出張します。また、SDGs達成に向けた政策支援も所掌しており、IMF全体の局横断ワーキンググループ責任者、また対外関係者(国連、EU等)との調整責任者として、IMFとしてどういう政策パッケージを提供できるのか、といったことを日々関係者と議論しています。先日はバンコクで開催された国連主催のカンファレンス(150名出席)に参加して、SDGs達成に向けたIMFの支援パッケージについてプレゼンしました。在籍1年経過したところで、新たに局内人事も担当するよう依頼されました。各課長と厳しい議論をすることになり負荷は増えましたが、その分皆の人となりを知れてよかったですし、その苦労が実ってか、人事評価ではoutstanding(トップ10-20%)をもらうことができました。世界を俯瞰して、どういう政策課題があるかを議論し、さらに、世界中から集まった優秀なスタッフの叡智を絞って具体的な対応策を考える、という点は国際機関の醍醐味だと思います。また、政治的制約なく「あるべき論」を議論できるのも良い点です。他方、実際の政策形成や改革の実現は各国当局者に委ねますので、その点での達成感は政府で働いた方が高いかもしれませんね。財務総合政策研究所コラム―IMFでは普段どのようなお仕事をされているのでしょうか? 国際機関ならではのやりがいや、日本との違いなどお聞かせください。

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