××デフォルトリスク貸出信用保証民間金融機関20%(保証割合)信用保険日本公庫80%(注)(保険てん補率)最終リスク分担割合(保証割合80%保険てん補率80%)(注)日本公庫:公庫保険信用補完制度におけるリスクの負担状況(負担割合)民間金融機関20%保証協会16%日本公庫64%(負担割合)(保証割合80%非てん補率20%)(注)日本公庫:公庫保険※ 公庫保険資料から筆者作成(図表1)SN保証5号(填補率80%)の場合のリスク負担保証協会80%いて、民間金融機関にもその融資額(保証額)の20%負担を求める制度)の対象としたところである。これにより、上記の通り保証割合は80%となっているところである。新型コロナ対策もさることながら、このSN保証5号は、世界的な金融危機であるリーマンショック時に非常に大きな役割を担った保証メニューであった。何故ならば、リーマンショック時は、後述する危機関連保証がまだ創設されておらず、またSN保証4号は自然災害等に起因して発動するところリーマンショックが自然災害等とは解釈し難い状況であったため、この時は緊急避難的に、このSN保証5号を全業種に対し指定(平成20年10月末~平成23年3月末:最大1,118業種を指定)することで対処したためである。そして今般の新型コロナ対策においても、SN保証5号は、第1回で述べた民間ゼロゼロ融資の実施等を可能とするベースとなる制度として活用される等、現在まで引き続き活用されている。危機関連保証は、ここまで述べてきたSN保証とは異なり、平成30年度に導入された新たな保証メニューであり、簡潔に言えば、リーマンショック時の経験を踏まえて新たに整備されたものである。リーマンショック時は、先述の通りSN保証4号で対応するというわけにはいかず、SN保証5号を全業種指定するという形で緊急避難的に対応を行った。しかしながら、SN保証5号では、その発動には一定の調査期間を要するため、すぐさま全業種指定とは出来ないという問題が生じていた(このリーマンショック時のケースでは、全業種の指定までには1年半を要した。)。換言すれば、突発的に発生する信用収縮へ迅速な対応を図るには、SN保証4号やSN保証5号では不十分となりうる事態が、現実に示されたのである。そこで、内外の金融秩序の混乱その他の事象が突発的に生じたため我が国の中小企業に係る著しい信用の収縮が全国的に生じていると経済産業大臣が認める場合に発動できる保証メニューとして、この危機関連保証が導入されたというわけである。 32 ファイナンス 2023 Aug.(3)危機関連保証
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