い。ただでさえ、雪の上だし。 ファイナンス 2023 Aug. 17エイゴは、辛いよ。(2023年番外編)供には辛い。外でもバス待ちで身動きが取れず、焦る。我々は一歩出遅れた。(下の写真は建物の外に出され密な状況でバスに向かう人々)そしてモニターを見ると、こんな苦労をしているのに、こういう時に限って我々の乗る飛行機は定刻に飛ぶという。間に合わない。バスを降り、また重い荷物を転がしながら、建物に入り、走って我々のゲートに向かう。体力と持久力には自信はあるが、今回は1人では無い。完全に息が上がった同行のYさんが、悲鳴を上げる。「わ、私に構わず、先に行ってください!」 しかし、そうも行かない。しかし、瞬時に思い直した。先にゲートに行って、飛行機を止めよう。走り来る同行者が視界に入っていれば、係官はゲートを閉じることはするまい。「先に行ってゲートを止めておく!」と後ろに叫んだが、彼女に届いたかどうかは分からない。もし走り出す私を見て瞬時に絶望していたら、申し訳ない。ゲートに着き、「後ろからもう1人走って来る」と告げると、即時微笑を浮かべ、係官は「OK」と言った。無事2人とも飛行機に乗れた。こっちの方が、ジェームス・ボンドの本領発揮かもしれない。ロシアのウクライナ侵攻後、ロシア上空を飛べなくなった。フライトの時間が長くなったが、これは日本人として甘受しないといけない。そしてそのお蔭で、少しだけ良いことがあった。ロンドン行きの飛行機に乗ると、迂回するお蔭で、これまで人生で見たことの無いアイスランドの息を呑むような氷河と、流氷を見ることが出来るのだ。白一色の世界を機上から飽かず見ていると、フライトアテンダントの方が声をかけてくれる。「流氷をご覧頂いてますか?」と。私も淡々と答える。「素晴らしいです。今日は良く晴れているから、あそこにシロクマも見えますよ。」それは彼女の冷静さを失わせ、「ええっ」と短く声が出る。彼女は私の指さす方向を見ようとやや身を乗り出す。こっちもシャープに告げる。「冗談です。」すると、1秒の静寂の後、業務時間中とは思えぬ大声で、腰を曲げて笑ってくれた。こんなに笑いが取れたのは久しぶりである。さすがに地上1万メートルでは、シロクマは見れな7月上旬にワシントンに出張した。用務を終え、ナショナル空港からNY行きの飛行機に乗るべく、(3)アイスランドのシロクマ(4)魔法で消えたあのベルト
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