ファイナンス 2023年8月号 No.693
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 大矢 俊雄 ファイナンス 2023 Aug. 152020年9月号以来のご無沙汰です。人生は楽では無いので、あれから3年、いろいろなことがありました。1人で抱えるのは勿体無いということで、今回番外編でいくつかお届けしたいと思います。項目建ては以下の通りです。お好きなものから読み始めてください。1.飛行機は、ドラマ:(1)ジェームス・ボンド、ミュンヘン行きの特急に乗る。 (2)わ、私に構わず先に行ってください。 (3)アイスランドのシロクマ (4)魔法で消えたあのベルト (5)飛行機のドアの向こうは、橋だった。2.リスク・テイカー:(1)ブルックリンの酒蔵にて (2)幽玄なる有言実行、Tomの“I told you” (3)ウクライナでリスクを取るとは、どういうことか(ロンドンで学んだこと)3.私のハートは、イエロー・ブルー:(1)ヨコハマの、ビニールハウス (2)ヨコハマ行きのバスガイドそれでは、以下文体を変えていつもの調子で始めさせて頂きます。2022年6月、ミュンヘンでのグローバル投資家の会合に招かれたので参加した。コロナ禍のため直行便は無く、フランクフルトで便を乗り換え、ようとした。ラウンジで暫時休憩し、向かったゲートでミュンヘン行きがキャンセルになったと知る。なに?慌ててラウンジに戻りキャンセルを確認し、どうしたら良い1.飛行機は、ドラマ前から思っていたことだが、私が出張で飛行機に乗るといろいろなことが起こる。同行者のせいにしようとしてきたが、どうも違うようだと最近気が付いた。か尋ねると、「3つのオプションがある」と告げられる。「明日まで待つか、車で行くか、電車で行くか。どれにしますか。」1泊3日の出張で前者2つは話にならないので電車にすると告げると、神業のような手際の良さで私の搭乗券を受け取るやミュンヘン行きの特急列車のチケットに替える。「この空港の地下駅には15分くらい歩けば着きます。そこからミュンヘンまで4時間です。」私がやや呆然としていると、少しだけ不器用に微笑んで、告げる。「You can enjoy the local landscape.これでドイツの風景を楽しめますよ。」 その冗談は、こっちが言うものだ。キャンセルした方が言うんじゃない!(下の写真は、乗る筈でなかった特急列車)問題の1つは、コロナの検査である。その当時は、行先の国で検査を受けて陰性証明を取らないと、帰りの飛行機に乗ることが許されなかった。そしてその検査を、ミュンヘン空港内の施設で受ける予約をしてあったのである。スケジュールの都合上、今日中に検査を受けないと間に合わない。ミュンヘン市内にも検査施設はあったが、検査方法などでまちまちで、日本政府が求める方法で無かったら帰国便に乗れない。喉か鼻か唾液か。医学にもエイゴにも自信が無い。情けない。結局予約していたミュンヘン空港の施設に電話し、4時間ほど遅れる旨を告げ、中央駅到着後、検査を受(1) ジェームス・ボンド、ミュンヘン行きの特急に乗る。エイゴは、辛いよ。 (2023年番外編)

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