ファイナンス 2023年8月号 No.693
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写真 3 国際局地域協力課 地域協力調整室長 日向寺 裕芽子写真 4 主税局総務課総務第一係 調査主任 池田 祐輝池田主任 日本を出て海外に行きたいという人達がいても、実際に海外に行った後に国民性や医療サービスなどの日本の魅力を再発見してもらえると良いのではないかなと思います。中村次長 若い人にアンケートを取ると確かに日本人は日本に対して悲観的ですが、世界のどこにもバラ色の国はありません。そんな国でも将来に対し楽観的な考えを持っている人が多いのです。日本の若い人たちには自信を持って頂きたい。また、意見が違うのが当たり前という多様性がもっと浸透すると良いですよね。井上咲楽さん ネガティブな声の方が爆発力があってバズるので、「日本だけこうなってしまっているんだ」という感じでネガティブイメージが溜まっているのかもしれませんね。多様性のお話がありましたが、財務省の中でも、税に対して色々な意見があって、議論になったりするのですか?池田主任 それはもう日々色々な議論がなされています。様々な考え方をぶつけて議論する中で、議論する前よりもあるべき税制に近づいているのではないかと思っています。日向寺室長 解決策を言うのは簡単ですが、実現するのは本当に難しくて、その最たる例が少子化問題です。少子化という問題への答えが「子どもが産まれる」ということであることは明らかなのですが、今の多様化した社会の中で人々が出産をどう考えるかについて強要することは難しく、ではそういった価値観の多様化の中で人々に何を、どう納得してもらうのが良いのかすごく難しいと思っています。井上さんはどう思われますか?いのですが、SNSでも政府に対する意見等が投稿され、拡散されているのも目にしますが、政策への影響は大きいのでしょうか?日向寺室長 SNSで炎上したことをきっかけに政策の方向性を練り直したりする例もありますし、影響はとても大きいと思います。SNSでの発言が国会で引用されるなど、国民の声が届く面もありますが、SNSの発言がすべて正しいのか、本当に社会を正しく捉えているのかという問題もあると思います。池田主任 SNSで発言力のある人の意見だけが目立つ一方で、本当は支援が必要だけれどその声を上げられない人たちもいるかもしれません。井上咲楽さん 私の周囲では、日本で就職するよりも海外で就職する方が報われると考えて、日本を出ていく人もいます。私は日本の文化、人の性格や公共サービスが充実していることの居心地などが好きで、日本をネガティブに考えるのはもったいないと思うのですがいかがでしょうか。日向寺室長 たしかに「勝ち組は海外」という雰囲気があることも感じていますが、私は井上さんと同じように日本が好きで、この職業を選びました。国際局で色々な国を見ていますが、アンケートをみるとアジアの多くの国が経済面では中国を重視しています。その中で「信頼できる国」という質問だけは日本が上位で、やはり日本は真面目な国民性でよきパートナーと思われているのですが、それをどうアピールできるかが難しいとも思っています。 12 ファイナンス 2023 Aug.日本のイメージについて

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