検疫所(Quarntine)の頭文字を取った略称。ファイナンス 2023 Jul. 77(1)歴史(2)港湾取扱貨物(1)豊富な航路ネットワーク(2) 国内定期航路、幹線道路ネットワークの充実(1)沿革(2)管轄3 志布志港の歴史等4 志布志港の魅力5 九州で唯一の「国際バルク戦略6 志布志出張所の沿革等港湾(穀物)」志布志市志布志港は古くから海を糧に栄え、中世期の志布志は島津氏庄園唯一の水門(港)として、この地の発展に大きな足跡を残しています。海上交通が盛んになった江戸時代には、海外交易で発展し、「志布志千軒のまち」と、うたわれるほどの街並みを形成し、活況を呈していました。近年の志布志港の整備は、鹿児島県東部地域の流通拠点港湾として、1969(昭和44)年4月、国の重要港湾の指定を受け、1987(昭和62)年4月には開港指定を受けCIQ※が設置されました。志布志港では畜産飼料や、ゴム製品の原材料が輸入され、輸出では原木、ゴム製品などの貨物が取り扱われています。※ CIQとは、税関(Customs)、出入国在留管理(Immigration)、志布志港は、九州南東部の太平洋に面しており、充実した港湾施設を有しています。東アジアに近いという利点を生かし、中国、台湾、韓国への定期コンテナ航路が就航しているほか、神戸、釜山等でのトランシップにより、アジアをはじめ、北米、豪州、欧州等の世界各国と結ばれています。国内の定期航路が東京・阪神・沖縄方面へ就航しており、大阪航路が毎日、東京・沖縄航路が週3便、阪神・奄美・沖縄航路が週4便、沖縄航路が週1便合計で4航路週15便が就航しています。幹線道路ネットワークは、九州縦貫自動車道に繋がる都城志布志道路や東九州自動車道の整備が進められています。東九州自動車道の志布志ICから九州縦貫自動車道まで高規格幹線道路が繋がり、九州一円へのアクセスが向上しています。(令和5年5月末現在)飼料原料の一括大量輸送による物流コストの削減を見据え、最大級の輸送船舶(ポストパナマックス船)の満載での入港に対応するために、志布志港は九州で唯一「国際バルク戦略港湾(穀物)」に選定され、新たな岸壁等の整備が行われており、数年後の完成に向けて工事が行われています。岸壁を整備することにより大型船舶で効率的な輸送が可能となり、安定的かつ安価な飼料原料の輸入が可能となります。志布志出張所は1987(昭和62)年4月に志布志港が開港指定されたことに伴い、鹿児島税関支署志布志分室が前進であり、同年7月に出張所に昇格し現在に至っています。志布志出張所の業務は外国貨物コンテナ、飼料原料であるとうもろこし等の穀物の輸入、また木材(丸太)の輸出等により、船舶の入港隻数も多く、通関及び監視業務は繁忙を極めています。志布志出張所は志布志市のほか3町(大崎町、東串良町、肝付町)も管轄しており、志布志国家石油備蓄基地、JAXA内之浦宇宙空間観測所のロケット基地も所在しています。また養殖魚等の輸入もあり、不開港の取締りや情報収集も重要な業務の1つとなっています。
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