ファイナンス 2023年7月号 No.692
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PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 21 ファイナンス 2023 Jul. 71過去の「PRI Open Campus」については、 財務総合政策研究所ホームページに掲載しています。https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/index.htmlPOLICY RESEARCH INSTITUTE, Ministry Of Finance, JAPAN*8) 詳細は、国税庁のHPを参照。 (https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation2023/index.htm)財務総合政策研究所はできますが、持出しに際しては税大内で審査を行っており、極めて厳格に情報管理を行っています。稲葉:昨年4月の共同研究開始から1年が経過し、研究の成果物としてDPも公表されました。検討開始から今に至るまでを振り返って、いかがでしょうか。髙本:研究を進めていく過程においては、膨大な分量のデータを分析することとなり、労力等も非常にかかるものかと思いますが、1年ほどで成果が出ることは大変喜ばしいことであると考えています。また、研究成果が出たこともあり、こうした取組を実施していることを、今後も学会等の場もお借りしながら、引き続きPRにも努めていきたいと思います。渡邊:共同研究をより推進するにあたり、どういったことが重要であるとお考えでしょうか。髙本:共同研究は、わが国の税・財政政策の改善・充実等に資する統計的研究であり、所掌事務の範囲内で、可能な限り学術的にも貢献することを目的としています。このような共同研究の取組を推進するために、関係各所からご意見を頂戴しながら、可能な限り改善を図っていくことが重要であると考えています。渡邊:最後に、今後の展望などをお聞かせいただけないでしょうか。髙本:国税庁は、今年6月に「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2023-」*8を公表しました。その大きな柱の1つであるデータ活用については、課税・徴収事務の効率化・高度化を図るためのデータ活用に加えて、共同研究のような税務データの学術研究目的活用についても、組織全体の重要な取組の一環として示しています。また、共同研究とは別の取組として、税務データを標本抽出・匿名加工した匿名データの提供についても、一定の要件を満たすことを条件に、利用者の申出に基づき可能となるよう検討を進めております。このように税務データについては、個人情報の保護や情報セキュリティの確保に万全を期しながら、学術研究目的の活用を進めてまいりたいと考えております。

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