(https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/guideline.pdf)*1) 2023年3〜5月に募集した第3期公募では、(1)所得税及び復興特別所得税の確定申告書第一表(A及びB)及び第三表、(2)法人税申告書別表一*2) ガイドラインの詳細については、国税庁の税大HPを参照。 *3) 詳細は国税庁の税大HPを参照。 (一)(白色申告及び青色申告)及び(3)相続税の申告書第1表及び第15表という、3つの税目のデータを公募テーマとした。(https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kyodokenkyu/kohyo/index.htm)(本稿における執筆者及びインタビューを受けた共同研究関係者の肩書は、2023年6月末現在)財務総合政策研究所 総務研究部 主任研究官 米田 泰隆財務総合政策研究所 総務研究部 研究官 稲葉 和洋 渡邊 葵伊財務総合政策研究所 総務研究部 係員 21 64 ファイナンス 2023 Jul.1 税務データを活用した共同研究国税庁では、国税庁が保有する行政記録情報としての税務データを利用して、大学教授をはじめとする外部研究者を税大の任期付非常勤職員(客員教授)に任用し、税大の職員と共同して、我が国の税・財政施策の改善・充実等に資する統計的研究を実施しています。共同研究において使用するデータは、国税庁が保有する全ての行政記録情報ではなく、国税庁が指定するものとなります。共同研究のテーマに応じて、公募の際にサンプルのデータセットを提示しています*1。本年3月号では財務総合政策研究所(以下、「財務総研」)の輸出入申告データを活用した共同研究をご紹介したところですが、国税庁では財務総研に先駆け行政データの利活用について検討を行い、税務大学校(以下、「税大」)において、税務データを活用した共同研究に取り組んでいます。そこで、今回のPRI Open Campusでは、同様に行政データの利活用に取組む財務総研の職員が、税務データ共同研究に携わる研究者及び国税庁職員へのインタビューを行い、取組の背景や税務データの研究を利用する上で期待されること、今後の課題・展望について「ファイナンス」の読者の皆様に紹介します。個体別の税務データは、納税者の秘密の保護が強く求められることから、学術利用上は必要とされない氏名や法人名は削除しています。また、個体別の税務データは、税大施設内に設置された、税大が提供する端末においてのみ利用が可能です。個体別の税務データを集計・分析した図表等に関しては、国税庁が定めたガイドラインに規定されるチェック内容を満たしていることを国税庁が確認した場合のみ、税大の施設外に持ち出し、申出書に記載した利用場所でも利用できるようにしています*2。共同研究において、税大職員が行う作業内容は、個別に研究者と協議の上で、具体的に決めることになります。これまでの共同研究では、税務データを学術で分析できる状態に整えるデータクリーニング作業、分析プログラムの実行、データの適正な管理、集計・分析した図表等の持出審査等については、税大職員が中心的に担っています。研究成果の一部は、2023年4月に共同研究ディスカッションペーパー(以下、「DP」)として国税庁の税大HPに2本の論文が公表されました*3。共同研究の研究成果は、今後も順次公表することを予定しています。行政データの利活用とは~税務データ共同研究関係者に聞く~
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