ファイナンス 2023年7月号 No.692
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(1)意見交換会と全職員向け意見募集等(2)新たな「使命」 24 ファイナンス 2023 Jul.見交換会」などを通じて、その浸透・定着に向けた取組が進められてきました。「財務局の使命と求められる職員像」については、財務省再生プロジェクトの以前からあったものですが、その陰に隠れ、職員の間に十分に認知されていないとの声も聞かれる状況になっていました。以上を踏まえて、「財務局の使命と求められる職員像」について再考し、今回の取組を通じて財務局職員の声を取り入れて、整理と浸透を同時に図るべく取組を開始しました。PTでは、本年2月以降、全ての財務局(財務支局及び沖縄総合事務局財務部を含む)を訪問し、全55回、約500名の様々な階層の職員と使命改定の是非などを問う意見交換を実施しました。加えて、各財務局単位で自主的な意見交換会が行われたほか、中央研修への参加者との意見交換も行われたところです。財務局全職員(非常勤職員を含む)向けの意見募集では、2,500件以上の意見が寄せられ、改定の是非については「賛成」及び「どちらかと言えば賛成」との回答が9割を超えました。これらの取組を通じて、様々な意見が出され、令和5年4月の全国財務局長会議に検討すべき論点を提示・議論し、最終化しました。以下では、改定により新たに生まれ変わった「使命」、「職員像」、「主な業務」について解説していきます。わたしたち財務局は、地域に根差し、財政や国有財産、金融等に関する施策を実施します。その3.改定案の考え方「財務局の使命と求められる職員像」の改定の是非や改定するとした場合の案を検討するにあたっては、地方課長やPTメンバーが検討の背景や趣旨を説明する紹介動画を全職員に向けて発信し、意見交換会や財務局全職員向けの意見募集を通じて、職員1人ひとりのものとして受け止めてもらう機会を設け、検討に反映してきました。際、地域と連携しつつ、組織としての総合力を発揮して、地域貢献に取り組みます。さらに、財務省と金融庁の施策を広報するとともに、地域の声や経済の実態を本省庁に伝達し、効果的な施策の形成に寄与します。こうした取組を通じて、地域経済、ひいては我が国経済の健全な発展に貢献し、安心で豊かな社会の実現を目指します。組織の「使命」というべきものは、職員1人ひとりがそれを理解し、あわせて「実践」していけるものであることが不可欠です。そのためには、職員1人ひとりが胸に刻みやすく、分かりやすい表現が望ましいと考えられます。また、「使命」の背景や意図を共有し、日々の業務に落とし込める、財務局らしさのあるものにする必要があります。加えて、先に述べたとおり、財務局における地域連携の取組の反映や、財務省の一員である財務局も共有している「財務省の組織理念」との関係性も整理する必要がありました。このため、今回最終化した「使命」では、施策の実施にあたり、「地域」の一員として職務を遂行する財務局らしさを表現するため、「地域に根差し」て取り組むこと、その際、「地域と連携しつつ」、地域貢献に取り組むこととしています。昨今の複雑化する地域課題の解決には、財務局各部門単独での対応が難しい場合もあり、財務局が課題解決に向けて組織内で部門横断的に情報共有、連携して取り組む姿勢を、「組織としての総合力を発揮して」と表現し、盛り込みました。このような変更を加えつつ、当初から盛り込まれていた財務省・金融庁の施策の「広報」、地域の声や経済の実態を本省庁に「伝達」し、効果的な施策の形成に寄与していくとの考えを維持しています。締めくくりでは、「財務省の使命」との連続性も意識し、「地域経済、ひいては我が国経済の健全な発展に貢献し、安心で豊かな社会の実現を目指」すとしたところです。なお、これまで冒頭にあった「財務省の総合出先機関として、また、金融庁からの事務委任を受け」、については、財務局職員にとって馴染みのある表現で愛着があるとの意見も多数ありましたが、財務局の業務に係る特質を表現した言葉であることから、「財務局

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