*3) 財務局は、財務省・金融庁と地域との結節点であり、その中で地域住民や国民に貢献していくことが必要だとする財務事務次官から財務局職員へのメッセージ。ファイナンス 2023 Jul. 23「使命」(平成21年12月策定)財務局は、財務省の総合出先機関として、また、金融庁からの事務委任を受け、財政、国有財産や金融等に関する施策を実施します。さらに、財務省及び金融庁の施策を地域に広報するとともに、地域の意見・要望や地域経済の実態を財務省及び金融庁に的確かつ迅速に伝達し、効果的な施策の形成に寄与します。また、地域の特性を踏まえた施策の実施を通じて、地域貢献に努めます。以上により、金融機能の安定や通貨の信認を確保し国民の資産を守るなど国民生活の安定・向上と我が国経済の発展に貢献します。※ 災害等発生時に係る記載は省略。「求められる職員像」(平成21年12月策定)国民全体の奉仕者たる自覚と国家公務員としての使命感、責任感を持って、職務を遂行するとともに、国の予算の財源は国民の税金であることを自覚し、常にコスト意識を持ち、効率的・効果的な業務運営に努めます。職務に必要な財政、金融、経済、資産管理等の財務に関する専門知識の習得に努めるとともに、現場に足を運んで地域の実情及びニーズを的確に把握し、地域への貢献を通じて、住民の信頼に応えます。「財務局の使命と求められる職員像」が策定された経緯等を振り返り、今回の取組の趣旨を説明していきます。平成21年に策定された「財務局の使命と求められる職員像」は、地方課が、同年9月に財務局に試案を求め、全国財務局長会議や全国財務事務所長会議等の場を通じて意見集約を行い、同年12月にとりまとめ「財務局の使命と目指す職員像」について(1)策定時の議論・考え方2. 「財務局の使命と求められる職員像」とは何か(2)財務省の総合出先機関としての財務局られました。こうして策定された「財務局の使命と求められる職員像」は、人材育成や地域連携などの取組に係る事務連絡の根拠に用いられてきたほか、研修資料、採用パンフレット、ホームページでの財務局紹介などにも活用されてきました。その趣旨について、「使命」は、「様々な業務、情報の受発信を通じて究極的には地域に貢献する」ものと説明し、「求められる職員像」は、「良い組織では、使命が明確化され、それを果たすために人材が育成されていく」ことから、職員がどのようなことを絶えず意識していくべきかを明確にした、と策定当時に解説されています。財務本省では、財務局が「財務局の使命と求められる職員像」を策定する以前から「財務省の使命」が定められていました。平成30年7月からは、その後に起こった一連の問題行為を受けて財務省再生プロジェクトが開始され、組織理念の確認・共有が不可欠として、「財務省の組織理念」がとりまとめられています。「財務省の使命」と「財務局の使命」との関係性については、平成25年6月に地方課がとりまとめた「財務局の機能強化と地域連携の推進」*3において解説がなされています。具体的には、中央のネットワークを活かし施策の企画・立案を行うのが財務省であれば、実際に施策をツールとして地域への貢献を行うのは全国に設置された財務局・財務事務所・出張所であり、総合出先機関として「実施」、「広報」、「伝達」を地域の実情に応じて適切に行うことを通じて「地域貢献」する必要があると指摘しています。こうした考えを受けて、財務局では、「地域連携」の取組を通じて、その機能を一層強固なものとして発展させようと試み、現在では、「地域連携」を含む地域貢献の取組は、幅広い業務を実施している財務局の各部門を束ねる組織文化やアイデンティティとも言うべきものに成長しています。また、「財務省の組織理念」と「財務局の使命」との関係性については、財務局においても財務省の職員の一員としてこれを共有し、「組織理念を踏まえた意
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