ファイナンス 2023年7月号 No.692
13/88

3日目日本政府主催夕食会国際課税ダイアローグセッション財務大臣・保健大臣合同セッションダイアローグの振り返り ファイナンス 2023 Jul. 9このセッションでは、パートナー国の参加を得た。新興途上国を取り巻くマクロ経済環境が厳しさを増す中で、G7とパートナー国との協力が求められているとの意見が多く出された。債務問題については活発な議論となり、G20の「共通枠組」を迅速に実施することの重要性等が指摘された。また、持続可能で包摂的な成長のための国際協力の強化についても議論され、MDBs改革などが取り上げられた。さらに、世界経済の強靭化に向けた具体的な取組の一つであるサプライチェーンの強靱化について、低・中所得国がクリーンエネルギー関連製品の製造過程でより大きな役割を果たせるよう協力する新たな互恵的パートナーシップ(RISE、詳細後述)の構想を議論した。G7各国に加え、パートナー国6カ国等も参加し、日航ホテル30階にて日本政府主催夕食会を開催。夕食会前のカクテル・レセプションを含めて、非常に打ち解けた雰囲気の中で、地元食材をふんだんに使った和食会席、新潟産日本酒等を各参加者が楽しんだ。また、地元花火師が特別に制作した花火を打ち上げ。夜空に咲く花火に歓声があがった。二つの柱の解決策の迅速かつグローバルな実施に向けて議論した。第1の柱に関する多国間条約について、合意されたタイムライン内での署名に向けたコミットメントを再確認。第2の柱の実施に向けた国内法制の進展を歓迎した。長崎市にて開催されていたG7長崎保健大臣会合の会場と新潟の会場を中継で繋ぎ、財務・保健大臣合同セッションを実施した。また、ヴァーチャル形式にて世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長の参加を得た。パンデミックへの予防、備え、及び対応(PPR)の強化に取り組むため、「G7共通理解」として、財務保健の連携強化等に合意した。特に、ファイナンス強化については、パンデミックが発生した場合の「対応」のため、必要な資金を迅速かつ効率的に供給することを可能とする新たな「サージ・ファイナンス」の枠組をG20と共に検討することで合意した。2日目のパートナー国との対話を踏まえ、強靭な成長の実現のための新興・途上国の支援等について議論した。

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る