ファイナンス 2023年7月号 No.692
12/88

1日目2日目G7ハイレベル・コーポレート・ガバナンス・ラウンドテーブル気候変動・金融セクターウクライナ情勢けたマクロ経済政策のあり方について議論した。各代表団の到着~日本政府・地元共催歓迎レセプションウクライナ情勢・世界経済(ワーキングディナー)ランチセミナー(多様な価値を踏まえた経済政策)金融庁は、OECDと共催で、サイドイベントとして「G7ハイレベル・コーポレートガバナンス・ラウンドテーブル」を開催した。政府当局や国際機関、民間企業等からハイレベルな出席者を招き、日本のコーポレートガバナンス改革の実質化に向けた取組みや「G20/OECDコーポレートガバナンス原則」の見直しについて議論・発信を行った。気候変動気候変動対策や公正な移行の加速化の必要性や、経済全体の脱炭素化のためのトランジションファイナンス及び災害リスクファイナンスにおける保険の役割や官民パートナーシップの重要性について議論した。金融セクター金融システムは強靭であるとの認識を共有した上で、今般の一連の銀行破綻等を踏まえ、引き続き警戒心を持って動向を注視し、金融安定及び金融システムの強靱性維持のために適切な行動を取る用意があることを確認した。また、中銀デジタル通貨(CBDC)に関する途上国支援、暗号資産が金融安定や健全性(インテグリティ)にもたらすリスクへの対処、サステナビリティ開示に関する国際的な取組みについても議論した。鈴木財務大臣と植田日本銀行総裁により、G7各国大臣等を順次お出迎え(記念撮影)した後、各国随行者や地元選出国会議員等も招待した日本政府・地元共催歓迎レセプションを行った。レセプションでは、鏡開きで乾杯した他、和太鼓演奏や新潟の古町芸妓の伝統技能を披露。新潟の地酒を楽しめる日本酒Barや新潟和牛、コシヒカリおにぎり等の地元食材で参加者をもてなした。ウクライナ情勢についてのセッションでは、ウクライナのマルチェンコ財務大臣のヴァーチャル形式での参加を得た。ウクライナ支援について、これまでの財政・経済支援やIMF支援プログラムでの大きな成果を確認しつつ、開発金融機関(DFIs)間の更なる連携強化等を通じた民間資本動員や、周辺国支援について議論した。世界経済世界経済の見通しについて不確実性が高まる中、経済の安定と成長の実現に向ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ教授をお招きし、多様な価値を踏まえた経済政策のあり方を議論した。デジタル化や気候変動、格差の拡大といった経済・社会の大変容を受けて、所得・富の平等や環境の持続可能性といった多様な価値の重要性が高まっている中、経済成長に加えて、こうした様々な価値にも配慮したより良い経済政策のあり方について、率直な意見交換を行った。所得・富の平等や持続可能性といった多様な価値を認識し、実用的かつ効果的な方法で政策に反映していくことの重要性を共有した。 8 ファイナンス 2023 Jul.G7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議(5月11~13日)の流れ

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る