ファイナンス 2023年6月号 No.691
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今後は、各地に点在する交流拠点や観光資源が面的なつながりを持ち、関係人口が増加する中で、町全体がより盛り上がっていくことを期待しています。井戸江峡交流拠点施設(「COMMON IDOE」)Kパークこうさ甲佐町4.更なる関係人口増を目指して参加いただき、終日の共同作業や昼食等の時間を共有し、参加者同士の交流も深まりました。令和2年10月に、1棟貸しの宿泊所や古民家レストラン、ワークショップなどに利用できる多目的交流スペースからなる「古民家交流拠点施設」として、オープンしました。管理運営については、地元の若者らでつくる一般社団法人パレットが行っており、甲佐町の食材を使ったイタリアンを味わえるレストランは、町内外の来場者でにぎわいをみせています。また、町の観光拠点である「甲佐町やな場」の営業運営においても、事業共同体として(一社)パレットが参画しており、初の冬季営業を始め、通年で甲佐町を訪れてもらえる仕組みづくりを行っています。3.官民連携による地方創生推進甲佐町における古民家等の歴史的資源活用のため、町と前述の(一社)パレット、地元の銀行や商工会等4者及び古民家再生を手掛ける兵庫県の企業「NOTE(ノオト)」の6者で「甲佐町における歴史的資源を活用した地域活性化及び地方創生推進に関する連携協定」締結し、(一社)パレットを中心に取組みを行っています。町との連携としては、「古民家交流拠点施設」及びグランピング施設として再整備を行った、「井戸江峡交流拠点施設」の指定管理者として(一社)パレットが管理運営しており、観光事業において相互に連携しながら取り組んでいます。アウトドアブームもありますが、「井戸江峡交流拠点施設」においては、当初目標とした宿泊者数を大幅に超え、年間3,000人を超える方が利用されています。令和4年度に熊本地震からの復興のシンボルとして整備を進めてきた一級河川緑川沿いに位置する「熊本甲佐総合運動公園」(通称:Kパークこうさ)が全面完成しました。天然芝・人工芝のサッカーコート、野球場、ソフトボール場、テニスコート8面、外周ランニングコース、グラウンドゴルフ場などを有し、緑川を軸とした地域の活性化、町民の健康増進、体力向上の場となっています。また、各種目の大会やイベントを誘致し、町内外から様々な世代が集う水辺拠点として地域交流の促進を図っていきます。また、文化財として、令和3年10月に国史跡に指定された「陣ノ内城跡」があり、保存と活用に係る計画を現在策定中です。保存・保護はもちろんですが、ひとが集まる管理・運用に向け整備を行い、甲佐町の歴史的魅力に厚みを加えるとともに、更なる関係人口の増加を図っていきます。継続した官民の協力なタッグに期待 九州財務局理財部金融調整官付上席調査官 多田 路央豊かな自然や、熊本市の中心市街地にも比較的近いなど、恵まれた地域の特徴を活かし、甲佐町では、官民が連携し、スピード感をもって地域活性化に取り組まれています。こうした取組がマスコミに取り上げられることも増え、甲佐町のファンになる方が増加中です。 70 ファイナンス 2023 Jun.

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