ファイナンス 2023年6月号 No.691
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ファイナンス 2023 Jun. 67コトカカード琴平町の風景琴平町4.最後にこうした工夫もあり、2日間で約3万人もの方が琴平を訪れました。これからも、琴平町に来てよかった、楽しかったと思っていただけるよう、にぎわい創出に取り組んでいきたいと思います。こうして開始したKOTOCA事業ですが、本町は高齢化率が約40%と高くデジタルに慣れていない方も多いことから、導入当初は利用者や加盟店舗の方からKOTOCAは利用しにくいなどといった声が多く寄せられていました。そのようなご意見を基に、高齢者向けの無料のスマートフォンサロンや、国の事業を活用したスマートフォン教室を開催し、デジタルに慣れ親しんでいただく機会を作りました。また、町内外を問わず多くの方にKOTOCAを利用してもらうために、国の第2弾マイナポイント事業や香川県県民生活支援事業へ参画しました。こうした取組の結果、当初10人程度であったアプリの会員数は、現在約1,500人まで増加しました。3.電子地域通貨KOTOCA令和3年12月15日からスマホアプリやカードを利用した電子地域通貨のキャッシュレス決済サービスKOTOCAを導入し、町民全員約8,600人に5,000コトカを給付し、町内の加盟店で利用してもらいました。主な目的としては、新型コロナウイルス感染症で低迷している琴平町経済への対策として、町内におけるお金の地域内循環を促すことで地域経済を活性化させるとともに、観光事業の推進、非接触の推奨による新型コロナウイルス感染症対策等を積極的に展開することです。また、行政の苦手分野である新規加盟店への営業活動については、外部人材のサポートを受けながら行った結果、KOTOCA加盟店数を136店舗から162店舗へ増加させることに成功しました。この外部人材のサポート導入により、職員が普段接する機会のない営業スキルを持った方とコミュニケーションを図ることでスキルアップが図られたほか、地道な店舗訪問活動などで、新規の加盟や今まで利用のなかった既存加盟店での利用があり、新たな経済循環のきっかけに繋がっています。さらに、加盟店については、行政側から積極的にアプローチしていきました。令和4年度は、加盟店との意見交換会を3回開催したことや、加盟店へ直接訪問してKOTOCAの利用状況をヒアリングするなどコミュニケーションを絶やさないように努めました。その結果、ご意見ご要望に基づいた様々な改善を行うことができ、加盟店との信頼関係が築け、KOTOCA利用額の増加につながっていると感じています。今後も、利用者目線に立ち、加盟店とのコミュニケーションを密にしながらKOTOCA事業を継続し、地域経済の活性化に取り組んでいきたいと思います。わが町では、第5次琴平町総合計画における基本理念として「小さくても みんなが笑顔で 幸せを感じるまち」を掲げています。この実現に向け、町に関係するすべての人が笑顔で満足できるまちづくりへの取組を進めていきます。

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