ファイナンス 2023年6月号 No.691
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企画防災課 主幹森本 卓也旧金毘羅大芝居(金丸座)JR琴平駅と約8mのねぷたこんぴら歌舞伎は天保6年(1835年)に建設された現存する日本最古の芝居小屋で、昭和60年(1985年)から絶え間なく公演されてきましたが新型コロナウイルス感染症の影響で令和4年は中止となりました。このため、こんぴら歌舞伎を愛する全国の方々や町民の方々から悲しみの声が上り、町として、代替イベントが必要であると考えていました。そこで、「暫(しばらく)」をはじめとした歌舞伎の演目が題材となることもあり、首都圏など県外での運行実績もある弘前ねぷたとコラボし、中止となった「第36回四国こんぴら歌舞伎大芝居」の演目の一つで1.琴平町の概要琴平町は、香川県のほぼ中央に位置し、人口約8,000人、面積は8.47km2と香川県内で面積・人口ともに2番目に小さな町です。小さな町ですが、讃岐のこんぴらさんで有名な「金刀比羅宮」には、古より多くの参拝客が訪れており、その門前町として栄え、四国を代表する全国有数の観光地です。2.四国金毘羅ねぷた祭りある「義賢最期」を題材に新たに描き下ろした、高さ約8mのねぷたの町内夜間運行を実施し、琴平町のにぎわい創出に取り組むこととしました。令和4年5月27日(金)・28日(土)に、弘前市首都圏キャンペーン実行委員会主催により、「四国金毘羅ねぷた祭り」が行われました。青森県弘前市の重要無形民俗文化財である「弘前ねぷたまつり」で実際に運行されるものと同様のねぷたを琴平町内で夜間運行するとともに、町内に歌舞伎の「幟(のぼり)」や「金魚ねぷた」を展示し、関連イベント等を実施するというものです。開催にあたり、主に4つの工夫を行いました。1つ目は、より観光客に楽しんでもらうために、高さ約8mのねぷたを主要な場所で回転させてパフォーマンスを行うこと。2つ目は、幻の「第36回四国こんぴら歌舞伎大芝居」の演目の一つである「隅田川続悌(すみだがわごにちのおもかげ)」を題材に、地元琴平高校の生徒と琴平町役場の若手職員が共同で「組ねぷた」を制作し、本場弘前高校の生徒が作成した「組ねぷた」と一緒に運行すること。3つ目は、町内の園児等に曳き手として参加してもらうこと。4つ目に、旧来より弘前ねぷたの笛奏者と交流のあった尽誠学園の太鼓部の学生に囃子として参加してもらうことです。 66 ファイナンス 2023 Jun.「小さくても、 みんなが笑顔で、 幸せを感じるまち」琴平町琴平町

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