ファイナンス 2023年6月号 No.691
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089468755132024283443515令和3年10月イメージイメージ請求書〇〇(株)御中(株)△△●年■月分 請求金額■月1日 割りばし■月3日 牛  肉※43,600円550円5,400円43,600円(10%対象 22,000円)(8%対象 21,600円)合計※は軽減税率対象請求書〇〇(株)御中(株)△△(T1234…)●年■月分 請求金額■月1日 割りばし■月3日 牛  肉※43,600円550円5,400円43,600円10%対象 22,000円 内税 2,000円8%対象 21,600円 内税 2,000円※は軽減税率対象合計※インボイス制度までの4年間における残的な仕入れ税額控除方式記載事項(1)請求書発行者の使命又は名称(2)取引年月日(3)取引の内容(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税込)(5)軽減税率の対象品目である旨(6)請求書受領者の氏名又は名称令和5年10月~記載事項区分記載請求書に以下の事項が追加されたもの(1)登録番号(課税事業者のみ登録可)(2)適用税率(3)消費税額現行の区分記載請求書等保存方式~令和5年9月インボイス制度3002502001501005011月図表2 インボイス登録件数の推移(万)350新規登録件数67811515令和4年1月12月2月3月4月5月6月7月申請ベース:約334万件※申請件数については297282412122021199261732914323121219918令和5年1月8月9月10月11月12月2月3月4月集計可能な範囲の暫定値。26827 図表1 区分記載請求書とインボイスの記載事項(令和5年4月末日付)ファイナンスファイナンス  20232023 Jun.Jun. 3 3また、納税する消費税額は、「売上げに係る消費税額」から「仕入れに係る消費税額」を控除して算出する。この「仕入れに係る消費税額」の控除を「仕入税額控除」という。現行制度で「仕入税額控除」を受けるには、「帳簿」と「区分記載請求書」の保存が必要となっている。10月以降は仕入税額控除に インボイス等の保存が必要に令和5年10月1日から、消費税のインボイス(適格請求書)制度がスタートする。インボイスは、売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝える手段。現在、多くの商品やサービスには10%の消費税が課税されているが、食品などには8%の税率が適用されている。インボイス制度の下では、「適格請求書発行事業者」が発行するインボイスによって、適用されている税率や税額を確認できるため、正確な消費税の申告が可能になる。インボイス制度の下で仕入税額控除を受けるためには、帳簿のほか売手から交付を受けた「インボイス」等の保存が必要となる(図表1)。このため、商品やサービスの提供先が課税事業者の場合、インボイスの発行を求められる可能性がある。とはいえ、インボイスという書類を一から作成する必要はない。従来の「区分記載請求書」の記載事項に「登録番号」、「適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額」を追加することで対応可能だ(図表2)。一方で商品やサービスの販売先が一般消費者や免税事業者の場合は、インボイスの交付を求められることはない。「適格請求書発行事業者」への登録は任意であるため、事業の実態に合わせて検討したい。制度が開始する10月1日に登録を受けたい場合、9月30日まで登録申請が可能。すでに334万(令和5年4月末時点)の事業者が登録申請を済ませている(図表3)。課税事業者の9割が申請を行っている計算となる。インボイス制度導入に伴い、支援措置も講じられている。一つは免税事業者からインボイス発行事業者になった事業者向けのもので、売上税額の2割を納税額とすることができる。もう一つは中小事業者向けで会計ソフトに補助金が設けられているほか、少額の取引にはインボイス不要などの措置が講じられている(P4参照)。インボイスとは売手が買手のために正確な適用税率や 消費税額等を伝える手段

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