ファイナンス 2023年5月号 No.690
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ファイナンス 2023 May 39講評を述べる長谷川名誉教授税関発足150周年事業「大学生フォーラム」を開催学生による発表終了後、プログラムは学生と関税局若手職員との交流会へと移りました。学生からの事前のアンケートに基づき、関税局の業務内容、仕事のやりがい、学生から社会人になってからの変化、国家公務員の生活など、学生に関心がある事柄を中心に意見交換を行いました。職員との交流会で雰囲気が温まった会場は結果発表に入ると一瞬にして緊張ムードになりましたが、税関のイメージキャラクター「カスタム君」が会場に登場し、ステージの低い段差を登るのも一苦労な愛くるしい姿が場を和ませました。審査の結果、最優秀賞に輝いたのは「国際物流効率化を促進する新たな取り組みの可能性」をテーマに発表した明治大学商学部のチーム。続いて、「文化的財の輸出と訪日外国人数の関係-クールジャパン戦略の有効性-」をテーマにした中央大学経済学部のチーム、「貿易プラットフォームと貿易円滑化」をテーマにした中央大学経済学部のチーム、「半導体産業と経済安全保障」をテーマにした津田塾大学総合政策学部のチームが優秀賞に輝きました。特別賞は、「伏木富山港を利用した貿易活性化」をテーマに、地元愛に溢れる発表を行った富山高等専門学校国際ビジネス学科のチームとなりました。各チームへ賞を授与した後、審査員長である長谷川名誉教授から「皆さんが一所懸命に準備され、現在の日本が抱えている課題を皆さんなりに取り上げ、それをうまく料理されました。発表内容にとても感心し、楽しませてもらいました」との講評を頂き、大学生フォーラムは幕を閉じました。3 入賞チームの発表内容最優秀賞明治大学商学部(チーム名「一兵団」)真贋判定が難しいいわゆる「スーパーコピー」と呼ばれている知的財産侵害物品がネット販売などで流通している問題をテーマに発表。ブランド品の製造元でICタグを装着し、通関時に税関がリーダーで商品情報を読み取ることで効率的に通関が行える仕組みを紹介。箱を開けずに内容物を確認でき、物流業界でも在庫管理が容易になり、サプライチェーン全体の効率化に繋がることから、日本主導でスタンダードを作り上げ、世界に展開することを提案。(3)職員との交流会(4)結果発表

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