ファイナンス 2023年5月号 No.690
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未来像を議論しているうちに「少子化」に留まらない大きな社会変容に話が膨らみ、テーマから外れてしまったので、少子化対策についてもっとフォーカスしてからタイムスリップすれば良かったかもしれない。参加者の声 ファイナンス 2023 May 9少子化について考えたとき、両チームとも、こどもを増やすという直接的なアプローチではなく、別のアプローチで解決する未来を描いていた。未来から考えることで、問題を複合的に捉えることができたと思う。未来人になりきって議論することで気づきがあった。さまざまな年代でグループが構成され、メンバーの意見を聞くことができて楽しかった。現在と未来を行き来するのは難しかったです。未来から逆算したときには必ず「教育」の重要度が高くなる。未来作り=教育だと思った。●ワークショップも実践と改良を重ねていき、財政以外にも様々な社会課題について、社会で広く自発的な議論が進むよう、官民連携のプラットフォームのようなものを作ることも検討。未来視点で必要と思われることを、未来のために実行しようとしたときに、今を生きる世代からは反対意見が出てくることがあるかもしれない。たとえば、未来のための投資が必要な場合。しかし、使える予算が一定であれば、代わりに何かを減らさなければならなくなるかもしれない。財政だけではない。環境や経済など様々な課題において、現在世代と将来世代の間で摩擦が起きることはある。未来のために現在の何かを犠牲にしなくてはならなくなるかもしれない。それに反対する人も出てくるだろう。FDはそういうときに有効だと考えられる。皆が未来のことを考える視点を持つようになれば、今必要なことは何かの優先順位が変わったり、前向きな合意形成がしやすくなるのではないだろうか。本日のワークショップでは最初に過去を振り返った。ここでは、過去の人たちにもっとこうして欲しかったという気持ちを感じただろう。私たちも未来の人から同じように見られることになる。次に未来を想像した。現在の制約にとらわれず、未来の社会を描いていただいた。今の選択が未来に影響することを感じる場面もあったのではないだろうか。その上でいま何をすべきかを考えたが、現在を起点に考えるのではなく、未来を起点に考えることで違うアイデアが得られそうだということがわかった。未来人になりきって議論することは非常に難しかったです。今起きていること、未来についてきちんと考える良い機会となった。「未来にタイムスリップして現在を見つめ直す」という手法は分かりやすかった。今後の業務でも戦略策定に生かせると感じた。単なる現在の延長線ではない未来を想像することにより、今回のテーマである少子化という課題の直接的解決だけではない、別のアプローチの必要性や、これから私たちが対応すべき別の課題を、皆で認識することができた。ワークショップのゴールは「今どんな政策をとれば良いか」だったが、それを意識しながら未来像や現在へのメッセージを深められるような、時間配分やワークの流れの提示方法に工夫が必要。ワークショップを振り返って良かった点改善点まとめまとめこれからの取組●FDの考え方を広く知って頂けるよう、手に取ってもらいやすいパンフレット「より良い未来のために、今できることを考えよう」を作成。財務省ホームページでも公開中。https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202304_fd.pdf

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