【風力発電の風車】【お茶くらべ】 ファイナンス 2023 Apr. 89御前崎(3)静岡県のお茶(4)「どうする家康」ゆかりの地崎港のガントリークレーンが駿河湾から太平洋までの碧さと共に目に映る頃、道路脇の丘陵地には風力発電の風車がそびえ立つ様が見られます。御前崎港エリアに入ると、埠頭に佇む巨大なプラント、そして、本年7月の稼働を目指すバイオマス発電所が現れてきたころ、御前崎出張所に到着です。港の西側、遠州灘に面した海岸には浜岡原子力発電所もあり、様々な発電施設が集中している地域とも言えます。静岡県のお茶:2022年、荒茶(茶畑でとれたままのお茶のこと)生産量が日本一になりました。御前崎茶:日照量、温暖な気候に恵まれた御前崎茶は、茶どころ静岡の中でも最も早く新茶の摘み取りが可能で、香りの良さと爽やかな味が特徴です。早生品種の「つゆひかり」の普及に取り組んでおり、渋みが少ないさっぱりとした味わいと色あざやかな水色のお茶をいただけます。掛川茶:穏やかな気候と適度な雨量で育まれる掛川茶。「深蒸し茶」(刈り取った茶葉を製茶する工程にある「蒸し」の時間を2、3倍長くすることで、通常の煎茶に比べてコクや旨みが十分に引き出される製法)が有名で、最高級の深蒸し茶「天葉(あまね)」は、芳醇な香りとまろやかで上質な甘み、初夏の新緑を思わせる鮮やかな水色が特徴のお茶です。菊川茶:明治の頃に栽培が本格化し、今では大規模な茶園となって安定して生産されています。熱心な生産者たちにより「深蒸し菊川茶」も開発され、遠州のからっ風と恵まれた太陽の光をあびて育まれた茶葉は葉肉が厚く、まろやかで深みのある一杯をいただけます。牧之原茶:茶園面積は県内1位で、主には「やぶきた」(国内茶葉の主流品種)を栽培。今ではお馴染みの「深蒸し茶」は、牧之原地域で明治時代に考案されたもの。濃い緑でまろやかな味わいのお茶をいただけます。今、静岡県ではNHKの大河ドラマ「どうする家康」に沸いています。私もキャストに推しがいるという理由だけでなく、この地で起こった古の出来事、地元ゆかりの人物登場や馴染みの地名など、様々な角度から楽しみ盛り上がっています。県内の至る所には家康に関係する寺や名所、またその時代の出来事の跡が点在します。御前崎市には、武田軍に追い詰められた家康が白羽(現御前崎市白羽地区)の安西与左衛門宅の大きなミカンの木の中に隠れ、その際に食べたミカンの味が忘れられなかったため白羽神社の神主に命じて将軍家へ献上させたと伝えられる白羽柑子があります。また、掛川市では何といっても掛川城。武田信玄に追われ掛川城に逃げ込んだ今川氏真を家康が攻め、半年に渡る激しい攻防戦の末に手に入れた城です。今では城跡ですが、家康と武田家が遠州地方の覇権をかけて攻防を繰り広げたのは高天神城、そして高天神城を攻略するために家康によって築かれた横須賀城。その高天神城を包囲攻撃するために家康が築いた砦とされる獅子ヶ鼻砦の跡が菊川市にあります。そして、牧之原市には、かつて徳川家に仕える旗本だった大鐘家の遠州最古とされる古民家があり、庭のあじさいや酔芙蓉などは花の名所にもなっています。牧之原という地名は、かつて諏訪原と呼ばれていた頃に武田信玄の命を受けて築城された諏訪原城を、家康が落城した際にこの一帯を牧野ヶ原と改めたことに由来しているといった一説もあります。
元のページ ../index.html#93