*3) 「財政ルールと財政赤字―健全化法が財務状況把握の財務指標に与えた影響―」 *4) 「市町村における広域連携の政策評価―定住自立圏を事例とした実証分析―」 *5) 「老朽化と料金体系が水道料金に与える影響」https://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/r149/r149_09.pdf*6) 「新型コロナウイルスが地方公共団体の歳入・歳出に与えた影響―コロナ禍において地方公共団体の収支は悪化したのか?―」 *7) 「自然災害と地方財政」https://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/r149/r149_03.pdf*8) 「地方自治体による財務書類の活用と財政行動」https://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/r149/r149_05.pdfhttps://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/r149/r149_04.pdfhttps://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/r149/r149_08.pdfhttps://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/r149/r149_02.pdfファイナンス 2023 Apr. 85PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 185.財務総研に期待すること三箇山:てくることだとも聞きます。大都市の持続可能性もとても大きなテーマです。今述べたような少子高齢化の影響を勘案して財政運営を行うために何が重要かについても、今回のFRでも取り上げています。広田・湯之上論文*3で扱った健全化法は、その背後に、少子高齢化に伴う将来の財政悪化を回避するという目的があります。市町村における広域連携を分析した宮下・鷲見論文*4も人口減少に伴う地方自治体の連携の話で、山下・赤井・福田・関論文*5の水道管路の老朽化と水道料金についての分析も、少子高齢化の影響を考慮に入れています。石川・赤井論文*6や石田・大野・小林論文*7では災害など突発的事態を扱いましたが、効率化を目指す背景には、近藤・小川論文*8の地方公会計制度の話も含め、少子高齢化の進行や災害の増加をどのように乗り切っていくのかという大きな課題があります。三箇山:先生が地方財政を研究しようと思われたきっかけや、今後のご自身の研究の展望を教えてください。赤井:私は旅行が大好きで、若い時に地方の色々な様子を興味深く見ていました。その経験もあり、元気な地方や頑張っている地方もあれば、元気がなかったりする地方もあるのを目の当たりにして、地方を元気にするような方法についての研究がしたいと考えました。その時にちょうど大学時代の恩師が地域を活性化するためにどうすべきかという研究を行っていたのでお手伝いをさせてもらい、地方財政の分野に非常に興味を持って研究者になりました。どのように地方創生・地域活性化を実現していくのか、また、地方でかかるコストをいかに抑えていくのかが今後の大きな研究テーマです。コンパクトシティはもちろんですが、水道料金にしろ、医療にしろ、少子高齢化にどう対応していくのかが重要です。国が財政出動して地方自治体の負担を軽減できれば良いのでしょうが、国の財源は限られています。少子化が一層進行していく中で、地方自治体がもっとも望ましい財政運営の方法を考えることが大切だと思います。そのためには、都市のあり方の再考や、水道料金を上げる、市町村で連携するなど、あらゆることをやっていかないといけないと思います。今後の財務総研の活動で赤井先生が期待されることは何でしょうか。赤井:FRは、各号のトピックが本当に幅広く多くの分野を網羅しているし、面白いと思うので、今後も続けていただきたいです。また、海外の研究機関とのシンポジウムなど国際交流活動にも期待しています。そのほか、財務省には経済学を学んだことのない職員の方もいらっしゃると思いますが、そういった方にも財政経済についての基礎的な能力を備えさせる財政経済理論研修はとても良い機会だと思います。政策を立案する上でEBPMが重視されている中、理論やデータに基
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