ファイナンス 2023年4月号 No.689
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銅7.3% 鉄【図表9】輸入の機械類等の内訳(2022年、ドルベース)【図表10】輸入の鉱物性生産品の内訳(2022年、ドルベース)コラム 海外経済の潮流 144ファイナンス 2023 Apr. 65(出所)中国海関総署から取得した数値を基に筆者試算(出所)中国海関総署から取得した数値を基に筆者試算その他47.7%ディスプレイ2.5%その他31.3%電話機及びその他の機器2.8%半導体デバイス、発光ダイオード等3.8%自動データ処理機械等4.1%電話機及びその他の機器15.8%自動データ処理機械等 12.5%集積回路10.3%半導体デバイス、発光ダイオード等蓄電池3.8%トランスフォーマー3.2%集積回路49.2%集積回路、半導体デバイス等の製造に使用する機器 4.1%4.4%ディスプレイ4.7%(出所)中国海関総署から取得した数値を基に筆者試算石炭3.9%その他13.6%天然ガス11.7%原油47.1%16.5%(注)文中、意見に係る部分は全て筆者の私見である。機械類等の輸出では、スマートフォンなどを含む電話機器及びその他の機器、コンピュータなどの自動処理機械等の占めるシェアが大きい一方で、輸入では半分近くが集積回路である。すなわち集積回路などの部品を輸入し、スマートフォンやコンピュータなどの製品を国内で製造し、輸出するといった構造となっていることが読み取れる。【図表8】輸出の機械類等の内訳(2022年、ドルベース)また、輸入で機械類等と同程度のシェアである「鉱物性生産品」の内訳では原油と天然ガスが合わせて6割弱であり、エネルギー資源の輸入が大半を占めていると言える。ちなみに原油と天然ガスに占めるロシアのシェアはそれぞれ16.0%、12.0%と2021年の同15.7%、6.0%から拡大しており、特に天然ガスで顕著だった。4.おわりにここまで2022年の中国貿易の概況、国別・品目別の状況を整理してきた。前述の通り、「ゼロコロナ」政策や欧米の景気減速懸念を受けて、2022年は輸出入の伸びが鈍化したが、2023年は、「ゼロコロナ」政策の撤廃を受け、世界経済の状況次第で輸出入が改善するとの見通しもある。日本にとって輸出入とも1位の貿易相手国である中国の経済及び貿易の動向は引き続き注視する必要がある。

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