防衛力の抜本的な強化(重視する7つの能力を含む)国全体の防衛体制を強化同盟国・同志国等との協力方針(おおむね10年程度の期間を念頭) 新たな国家安全保障戦略等の策定と令和5年度防衛関係予算について ファイナンス 2023 Apr. 33(2022年12月16日)[防衛計画の大綱に代わるもの][中期防衛力整備計画に代わるもの](おおむね10年程度の期間を念頭)等の目標年度などを本文に記載)※7つの能力:①スタンドオフ防衛能力、②総合ミサイル防空、③無人アセット、④領域横断作戦、⑤指揮統制・情報、⑥機動展開、⑦持続性・強靱性※これまでは防衛計画の大綱に掲載図表1:新たな「三文書」と年度予算の関係図表1:新たな「三文書」と年度予算の関係国家安全保障戦略国家防衛戦略(2022年12月16日)防衛力整備計画(2022年12月16日)年度予算2.新たな「三文書」等のポイント(1)「三文書」の体系の見直し外交、防衛に加え、経済安保、技術、サイバー、情報等の国家安全保障に関連する政策に戦略的指針を与える防衛の目標を設定し、達成するための方法と手段を示す我が国として保有すべき防衛力の水準と達成するための中長期的な整備計画自衛隊の体制(おおむね10年後の体制を念頭)5年間の経費の総額・主要装備品の整備数量(特に重要な装備品等の研究・開発事業とその配備開始各事業の進捗状況、実効性、実現可能性を精査し、必要に応じて柔軟に見直しつつ、各年度に必要な経費を計上かりした財源措置が不可欠です。令和9年度以降、防衛力を安定的に維持するためには、毎年度約4兆円の追加財源の確保が必要となります。その約4分の3については、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設など、様々な工夫を行うことにより賄うことといたします。その上で、様々な御議論がありましたが、残り約4分の1の約1兆円強については、国民の税制で御協力をお願いしなければならないと考えております。ただし、その際、現下の家計を取り巻く状況に配慮し、個人の所得税の負担が増加するような措置は行わないことといたします。また、令和5年度から9年度までの間の新たな防衛力整備計画43兆円の財源についても同様の考え方で確保いたします。まずは歳出改革や特別会計からの受入れ、コロナ対策予算の不用分の返納、国有財産売却などの工夫を先行して始めることとし、来年度からの国民の負担増は行わず、令和9年度に向けて複数年かけて段階的な実施を検討いたします。こうした考え方の下、引き続き政府与党で緊密に連携して、防衛力強化に係る歳出歳入両面での財源確保の具体的内容を年末に一体的に決定いたします。税制部分については、与党税制調査会において税目、方式等、施行時期を含めて検討いただくようお願いいたします。この後、与党において、国防関係の会議、税制調査会を中心に、「三文書」の内容や財源の在り方が集中的に議論され、自民党・公明党のそれぞれの党内プロセスを経て「三文書」が了承された。これを受け、政府内でも国家安全保障会議と閣議において「三文書」が決定された。「三文書」の体系は、これまで、安保戦略の下に、10年程度の期間を念頭に保有すべき防衛力の水準としての自衛隊の体制を規定した防衛大綱、そして、5年間の経費総額と主要装備の整備数量を示した中期防、という整理であった。この体系では、国防のための戦略文書がないといった問題意識から、今回の改定に合わせて、安保戦略の下、防衛の目標を設定し、達成するための方法と手段を示す防衛戦略と、概ね5年後と10年後に保有すべき防衛力の水準と5年間の経費総額・主要装備品の整備数量の両方を示した整備計画を策定することとなった。また、安保戦略については、従来の外交、防衛に加え、経済安保、技術、サイバー、情報等の安保戦略に関連する政策を含めて戦略的指針を定めている。(図表1:新たな「三文書」と年度予算の関係)
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