ファイナンス 2023年3月号 No.688
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50000(図表2)産業別休業者比率(図表5)形態別雇用者数 (左:宿泊業・飲食サービス業、右:生活関連サービス業・娯楽業)割合の変化(図表1)対人接触型サービス業に含まれる (上:旅行者数、下:旅行消費額)(億人)1.00.80.60.40.20.0(兆円)86420(図表3)産業別の男女・雇用形態の (図表6)業種別新規求人数宿泊業・飲食サービス業宿泊業旅館・ホテル、下宿業等飲食店食堂・レストラン、専門料理店、ビヤホール、喫茶店等持ち帰り・配達飲食サービス業持ち帰り飲食サービス業、配達飲食サービス業生活関連サービス業・娯楽業洗濯・理容・美容・浴場業洗濯業、理容業、美容業、一般公衆浴場業等その他の生活関連サービス業旅行業、家事サービス業、冠婚葬祭業等娯楽業映画館、興行場、公園、遊園地、遊戯場等国内宿泊旅行延べ人数国内日帰り旅行延べ人数国内宿泊旅行国内日帰り旅行・新型コロナウイルス(以下「コロナ」)の感染拡大を大きく受けた産業として、対人接触型サービス業(「宿泊業・飲食サービス業」「生活関連サービス業・娯楽業」の合計)が挙げられる(図表1)。・2020年4月の最初の緊急事態宣言時に、「宿泊業・飲食サービス業」の休業者比率(就業者における休業者の割合)は28%となり、その後も対人接触型サービス業においては感染拡大の波が訪れる度に休業者が増える傾向にある(図表2)。・対人接触型サービス業は産業全体に比べ、女性の非正規雇用者の割合が高く(図表3)、休業者比率の推移からも、女性の非正規雇用者がコロナによる影響を最も強く受けていることが分かる。また、雇用形態別の割合は、コロナ前の2019年と比較しても大きな変化はなく、現在も非正規雇用者への依存度が高いことがうかがえる。産業の主な内訳産業分類と分類項目・2022年3月に、「新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置」が終了した。行動制限等の要請がなくなったことや、国や都道府県による旅行支援策等が始まったことを受け、国内旅行を中心に、消費に持ち直しの動きがみられている(図表4)。・対人接触型サービス業は、非正規雇用者の割合が高く、雇用調整の多くは非正規雇用者の削減によって行われたとみられ、2022年3月以降、非正規雇用者を中心に雇用者数が増加しているものの、コロナ前の水準には回復していない(図表5)。・新規求人数も、リオープン(経済再開)に向けて増加傾向にあるものの、こちらもコロナ前の水準には回復していない(図表6)。雇用者が増えてもなお新規求人数が増えていることから、ウィズコロナに向けた新たな段階へと移行し、リオープンの機運が高まる中で、対人接触型サービス業における人手不足の状況が認められる。(図表4)日本人国内旅行 ⅠⅡⅢⅣ2019ⅠⅡⅢⅣ2020ⅠⅡⅢⅣ2021ⅠⅡⅢ2022(%)3025201510147102019(万人)30025020015010050159201915920201592021正規雇用者非正規雇用者1592022全産業宿泊業・飲食サービス業生活関連サービス業・娯楽業147101471014710202020212022(万人)1201008060402015920191592020正規雇用者非正規雇用者1592022男性(正規)男性(非正規)(%)100908070605040302010020192022全産業(万人)100,00080,00060,00040,00020,0001592021宿泊業・飲食サービス業生活関連サービス業・娯楽業女性(正規)女性(非正規)2019202220222019生活関連サービス業・娯楽業宿泊業・飲食サービス業147102019147102020147102021147102022 70 ファイナンス 2023 Mar.新型コロナウイルスの影響リオープンにおける状況コラム 経済トレンド対人接触型サービス業の雇用環境の 変化について大臣官房総合政策課 調査員 楠原 雅人105本稿では、新型コロナウイルスによって変化した対人接触型サービス業の今後について考察する。

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