ファイナンス 2023年3月号 No.688
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ファイナンス 2023 Mar. 99モビリティ実証(ときチャレ)の様子「まちなかウォーカブル」社会実験の様子 この先の諸課題への対応についても、「宇部方式」の下、全ての利害関係者が知恵を出し、最善の道を選択され続けることを期待しています。地方創生コンシェルジュ中国財務局山口財務事務所長 巴 道章現在の宇部市は、緑や花、彫刻溢れる街ですが、終戦直後は、石炭の街の宿命として、ばいじん汚染に悩まされました。市では、産官学民の代表者により、地域社会は自分たちで守るという理念の下、科学的データを市民に公開し、4者で話し合うことで公害を克服しました。その手法は「宇部方式」と言われ、国際的にも高い評価を受けています。宇部市また、市内一の観光施設であり、市民の憩いの場でもある「ときわ公園」を実証フィールドとして、新たなビジネスの創出を目指すときわ公園チャレンジを公募し、最大100万円を支援。令和4年度は、全国27事業者の応募から選定したメタバースやモビリティなど4つの実証事業を進めており、その中で、本市へのオフィス設置や市内大学生とのコラボレーション等、副次的な成果も生まれています。援も欠かせません。将来がその生まれ育った環境に左右されないよう、養育費確保の支援として、山口県内で初めて強制執行申立に要する弁護士等費用の補助(令和3年11月~)や山口家庭裁判所とのオンラインでの調停手続きサポート(令和4年8月~)などを開始。このほかにも、「子育てするなら宇部」と選ばれるまちを目指し、大学病院と連携した小児救急医療提供体制の確立や子ども医療費助成制度の所得制限撤廃、早い段階から自らの将来を考える機会としての職業体験イベントの実施、多様な学びの機会を提供するフリースクール等利用支援補助金など、子育て環境の充実を進めています。4.子育てするなら宇部未来のまちづくりの主役となる子どもたちの育成支5.まちなかウォーカブル最後に、中心市街地の賑わい創出の取組です。人の往来や交流・滞在を生む「ウォーカブルなまち」の形成を目指し、市役所建替や大型商業施設跡地への賑わい交流拠点整備、国道190号の歩道と副道の一体的な再整備など、面的な整備を進めています。併せて、ソフト面でも物販や飲食等のイベント要素に加え、アーバンスポーツやアート等のストリートカルチャーを取り入れた様々な体験ができる空間の創出により、日常的に人が集まり、賑わいや周辺への波及効果を生み出していきます。次の100年に向け「共存同栄」の精神の原点に立ち返り、未来へ投資していくことで、もっと暮らしやすく、住みたいと選ばれるまちに繋がるものと考えています。未来に続け、世界に冠たる「宇部方式」 6.おわりに令和3年11月、本市は市制施行100周年を迎え、令和4年度は「共創」をキーワードに新たな総合計画(第五次)をスタートさせました。

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