ファイナンス 2023年3月号 No.688
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実証実験の様子第5弾ロハスパーク大阪柏原の様子 96 ファイナンス 2023 Mar.第1弾 SDGSキャンプ第2弾 トヨタソーシャルフェス、脳を鍛える健康教室第3弾 大和川川下り実証実験第4弾 かしわらピクニック春(キッチンカーと物販イベント)第5弾 ロハスパーク大阪柏原(R3.5.21・22)第6弾 ロハスパーク大阪柏原(R3.9.10・11)第7弾 KASHIWARA MUSIC CAMPなど、7つの社会実験を実施してきました。これらの取組みの中から、大和川川下り実証実験について紹介したいと思います。大和川の川下りは、現在日本遺産の取組みを共に進めている大和川上流の三郷町から、下流の柏原市河川敷公園までの約9キロメートルを、ラフトボートで下るものであり、令和4年3月に実施されました。大和川の川下りと言えば、某テレビ局の放送番組の過去の名物企画として、関西地区にお住まいの方には有名ですが、その企画を行政が本気で実施するという珍しい企画です。大和川のどこで、どういったアクティビティが提供できるかといった河川活用の可能性を模索するとともに、安全性の確認などを行いました。アウトドア事業者4社、三郷町・柏原市職員、総勢10名での川下りは、おそるおそるのスタートとなりましたが、ゴール地点ではクルー全員に妙な連帯感が生まれる面白い光景が広がっていました。その後の意見交換では、カヌーやSUPなど、今後様々なサービスを提供できる可能性があるという結論となりましたが、何よりもこの事業に参加してくれたみなさんの楽しそうな顔が印象的で、私たちが考える河川活用の有益性が、意外なところで明確になった気がして、私自身も事業を越えて楽しい気持ちになったことを覚えています。このような社会実験の実施は、様々な困難を伴いますが、今後もユニークな実験を実施するとともに、近い将来、より発展的な形態として、使用契約や指定管理者制度などを活用して、民間事業者とともに、より継続的な河川活用を目指していきたいと考えています。観光施策の拠点としてはもちろんのこと、健康活動の拠点として、環境教育の拠点として、さらには研修事業やワーケーション事業の誘致など、様々な人達と様々な事業を、この大和川と河川敷公園で展開し、地域活性化の核となる場所に発展させたい、それが私たちの願いであり目標です。地方自治体にとってはこの上ないチャンスが、今まさに到来しています。多くの人に柏原市を知ってもらい、訪れてもらい、関心をもってもらうとともに、地域のこども達が、河川敷公園で風を感じたり、芝生に触れたり、土のにおいを感じながら成長することで、ずっと住み続けたいと思ってもらえるよう、今後もまちづくりのビジョンをみんなで共有し、互いのワクワクするような気持ちを推進力として、まちづくりに邁進したいと考えています。4.おわりに新型コロナウイルスが猛威を振るい、私たちの生活は一変しました。しかし、この大きな変化により「マイクロツーリズム」という概念がうまれました。

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