ファイナンス 2023年2月号 No.687
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(注1)国際収支ベース。(注2)為替レートは1ドル=4,093リエル。(出所)カンボジア国立銀行よりJETRO作成(出所)ADB了した人数が、同年齢の人口に占める割合。(出所)ユニセフ輸出金額7,4121,3121,2481,1157686,61718,470100.0%合計構成比40.1%繊維原料7.1%石油6.8%建設資材・機械6.0%車両4.2%食品・飲料35.8%その他衣類その他縫製品農産物靴電子部品その他合計輸出金額7,0701,5781,4061,141986952718511431155構成比38.5%中国8.6%シンガポール7.7%タイ6.2%ベトナム5.4%台湾5.2%日本3.9%インドネシア2.8%韓国2.3%香港0.8%マレーシア米国ベトナム中国日本ドイツカナダ英国タイベルギーシンガポール合計18,369100.0%合計初等教育後期男性女性カンボジアラオスミャンマータイベトナム6884829896*8) 2021年は、シンガポールとスイスからの宝石・貴金属の輸入も急増しており、貿易赤字拡大に影響した。この背景には、「金」の価格高騰を受けた投機的な動きがあると見られている。*9) 国際連合(2022)*10) 経済回復に向けたロードマップである「The Strategic Framework and Programs for Economic Recovery in the Context of Living with Covid-19 in a New Normal 2021-2023(Royal Government of Cambodia)」の中で、中小企業は経済成長のドライバーと位置付けられている。*11) UNCDF(2022)輸入輸入金額9,7575,1233,2562,9861,085809732591539440(2010-2019年、%)前期中等教育男性女性後期中等教育男性女性7983849997415445818139534592872032145950(注1)中小企業は従業員:100人以下、資産50万米ドル以下の企業。(注2)2014年末時点。(出所)ADB企業数構成比512,870889513,75999.8%0.2%100.0%雇用者数構成比1,345,100529,5701,874,67072.0%28.0%100.0%(百万米ドル)構成比金額19.1%4,0209.8%2,0579.6%2,0147.2%1,5135.4%1,13210,25748.9%20,993100.0%(百万米ドル)構成比33.8%17.7%11.3%10.3%3.8%2.8%2.5%2.0%1.9%1.5%28,888100.0%中小企業大企業合計2031197261(注)教育修了率は、各教育レベルの最終学年相当の年齢で当該レベルの教育を修PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 16 図表5 カンボジアの貿易相手国(2021年)ファイナンス 2023 Feb. 852. カンボジアの中小企業の発展に向けた課題大の一因になっています*8。図表4 カンボジアの貿易品目(2020年)このようにカンボジアでは、縫製業以外の産業を育成し、競争力や生産性を高めていくことや、産業構造の高度化が課題となっています。しかし、ポル・ポト政権下における学校教育の廃止や知識人の虐殺により人材が不足しており、また、近隣諸国と比較しても各段階の教育修了率が低い状況にあります(図表6)。これらを背景に、企業の生産性を草の根から上昇させることが困難となっており、人材育成が大きな課題となっています。図表6 教育修了率カンボジアでは、全企業数のうち、99.8%が中小零細企業(以下、零細企業、小規模企業及び中規模企業をまとめて中小企業という。)であり、かつ、労働者の72.0%は中小企業で雇用されている等、中小企業が重要な位置を占めています。また、カンボジアは平均年齢が26.5歳*9と若年人口が多く、将来的な労働人口の増加が見込まれるなか、雇用の受け皿として中小企業の更なる発展が求められています。加えて、カンボジア経済の持続的・包括的な発展のためには主力産業である観光業のほか、製造業の振興が重要であり、その担い手となる中小企業の生産性を特に高める必要があると言えます。筆者が2022年10月に、カンボジアで現地政府機関と面会を行った際にも、輸出を増加させるため、特に農産物加工や製造業分野の中小企業への支援が非常に重要になる、との声が聞かれました。図表7 カンボジアの企業数・雇用者数カンボジアの経済成長のドライバーとなることが期待されている*10中小企業ですが、他方で中小企業の発展のためには、様々な課題があります。カンボジア商工会議所(Cambodia Chamber of Commerce(CCC))は、カンボジアの中小企業の発展課題として、電気料金及び輸送コストの高さ、技術へのアクセスを実現するための人材の不足、そして、金融アクセスの欠如を挙げています。特に金融アクセスについては、66%の中小企業が自社の課題であると回答しています*11。カンボジアには、2021年12月時点で、商業銀行54社、マイクロ

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