ファイナンス 2023年2月号 No.687
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講師略歴日比野 克彦(ひびの かつひこ)東京藝術大学長1958年岐阜市生まれ。東京藝術大学美術研究科大学院修了。1982年第3回日本グラフィック展大賞、1983年第30回ADC賞最高賞、1986年シドニー・ビエンナーレ、1995年ヴェネチア・ビエンナーレ出品。1999年毎日デザイン賞グランプリ、2015年文化庁芸術選奨芸術振興部門文部科学大臣賞受賞。2007年より東京藝術大学教授。今年4月1日、東京藝術大学長に就任。他の主な要職として、岐阜県美術館長、熊本市現代美術館長、日本サッカー協会社会貢献委員長を務める。 令和4年度職員トップセミナー ファイナンス 2023 Feb. 73最後に:ヤギの目を通じて社会を見る今、社会の中で言われている多様性とか、だれ一人取り残さない、という社会的課題に対してコミットできる部分がアートにはあると考えております。皆様にはヤギの絵をご覧になっていただいておりますが、これは東京藝術大学の取手キャンパスの風景です。藝大が最近ヤギを飼い始めました。そうすると学生たちがヤギをスケッチするという風景もあるのですが、ヤギがいることによって近隣の人たちが世話を焼きに来てくれます。そしてヤギは雑草も食べてくれますし、ヤギの目を通して社会を見ることができるのです。私たちはヤギの目アートセンターという呼び方をしていますが、ここは様々な価値を教えてくれるのです。人間ではない動物から学ぶ、そうしたことも社会的な、それぞれらしくいいよね、ということを教えてくれる教材になっております。以上、藝大の最近の活動についてお話させていただきました。まだまだやらなければならないことはたくさんありますが、アートの新しい試み、挑戦を知っていただければありがたいと思っております。ご清聴ありがとうございました。(以上)

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