ファイナンス 2023年2月号 No.687
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5086420オハイオインディアナイリノイミネソタアリゾナアイダホオレゴンネバダカリフォルニアジョージアフロリダルイジアナ(注)ケースシラー住宅価格指数は10月分まで掲載。その他12月分まで掲載。(出所)米労働省、S&P、Apartment List、Zillow(出所)Apartment List【図表3】賃貸住宅の空室率の推移(%)25201510▲510*4) NABE会員55社へのアンケート調査であり、サンプル数が少ない点には留意が必要。消費者物価指数(住居)民間住宅家賃(Zillow)民間住宅家賃(Apartment List)住宅価格(ケースシラー住宅価格指数)1357911135791113579111357911201920207.2%新型コロナウィルスの流行1357911135791120192020202120224.1%1357911135791120212022(出所)アトランタ連銀アラスカワシントンハワイ全体(内訳)非転職者(内訳)転職者5.9%13579112019【参考】連邦最低賃金:7.25ドル/hニューヨーク州:14.2ドル/h(注)色つきの州は、2022年1月から2023年1月1日までに最低賃金を引き上げた州を示す。(出所)The Economic Policy Institute 135791113579112020ウィスコンシンモンタナノースダコタサウスダコタワイオミングアイオワミズーリネブラスカユタコロラドカンザスアーカンソーミシシッピケンタッキーテネシーノースカロライナアラバマニューメキシコオクラホマテキサス135791120212022バーモンドウェストヴァージニアミシガンニューハンプシャーメーンニューヨークマサチューセッツペンシルベニアロードアイランドコネチカットニュージャージーデラウェアメリーランド、DCヴァージニアサウスカロライナ+6.1%【図表5】最低賃金を引き上げた州 58 ファイナンス 2023 Feb.や住宅ローン金利の高止まりなどを反映して伸びが鈍化している一方、住居のインフレ率の伸びは続いている。【図表2】賃料、住宅価格指数の推移(前年比%)この要因について米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日のブルッキングス研究所での講演で、新規契約物件の家賃の伸びは鈍化していると認めつつ、契約更新者の既存物件の家賃の伸びは続くと指摘している。同氏によれば、今後契約更新を迎える既存物件の家賃が新規契約物件の家賃にキャッチアップするために上昇し、この動きは2023年も続くとされる。ただし、新規契約物件の家賃の伸びが鈍化し続ける限り、住居のインフレ率は2023年頃から下がり始めるとも指摘している。4.サービスインフレと賃金の動向一方、住居を除くサービスのインフレ率の見通しには不透明感が残る。住居を除くサービスは医療サービスや輸送サービスなど広範なサービスを含んでおり、インフレ率の将来を見通すうえで最も重要な項目であると、パウエルFRB議長も前述の講演で指摘している。これらサービスインフレの背景の一つには賃金の上昇があり、その根底には、労働需給の逼迫がある。労働参加率はコロナ禍前の水準を下回る一方、失業者1人あたりの求人数は現在約1.7件で、コロナ前の水準を超えている。こうした労働供給不足、労働需要超過が賃金上昇の要因の一つとなっている。【図表4】賃金上昇率の推移(前年比%)9876543210賃金上昇の動きは企業に対するアンケート調査からも見てとれる。全米企業エコノミスト協会(NABE)が昨年10月に実施したアンケート調査によると、賃金の低下より上昇を報告した企業の割合が、調査開始以来3番目の高さになったと報告している*4。加えて、最低賃金引き上げの動きが活発化していることも見逃せない点である。最低賃金は連邦政府のほか多くの州政府などが独自に定めているが、このう

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