ファイナンス 2023年2月号 No.687
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2334454(当初)4(2次補正後)5(当初)(兆円)240220200180160140120100806040200(図2)カレンダーベース市中発行額及び平均償還年限の推移<カレンダーベース市中発行額の推移>(注)令和3年度までは最終補正ベース。1.8154.58.424.01.62.01.628.828.828.827.632.430.028.826.432.430.027.626.425.02826.725.8平成262723.829流動性供給入札物価連動債超長期債(10年超)長期債(10年)中期債(5年)中期債(2年)短期債(1年以下)152.29.626.0147.09.625.6141.310.924.60.80.80.829.731.228.230.01.61.626.433.036.025.224.022.825.224.082.574.021.621.630令和元2212.311.426.7212.211.428.8134.212.622.8129.412.621.6198.612.029.4203.112.029.4190.312.029.40.81.032.432.432.430.030.030.033.633.934.860.464.650.7(当初)(2次補正後)(当初)(年度)(年度)平成2627282930令和元(注)令和3年度までは実績。<平均償還年限の推移>カレンダーベース(フロー)8年2か月8年9か月8年10か月9年0か月8年11か月9年0か月6年8か月7年3か月7年9か月7年7か月8年1か月(推計)(推計)(推計) 32 ファイナンス 2023 Feb.(2)消化方式別発行額消化方式別の内訳(表1右)をみると、まず、カレンダーベース市中発行額は、前年度当初比▲8.3兆円の190.3兆円となっている。その年限構成については、利付債の毎月の発行額は全年限において令和4年度2次補正後を維持したうえで、前年度からの減額を短期債の減額に充てることとした。これにより、カレンダーベース市中発行額全体のうち短期債が占める割合は、前年度当初の30.4%から26.6%まで減少し、結果として、平均償還年限が8年1か月に長期化する見込みとなった(図2)。消化方式別の内訳(表1右)における「その他」には、個人向け販売分や、公的部門(日銀乗換)が含まれる。個人向け販売分は、足元の販売状況等を踏まえ、前年度当初比+0.6兆円の3.5兆円としている。また、公的部門(日銀乗換)は、日本銀行が保有する国債が満期を迎えた際に、その一部について借換債を引き受ける制度である。令和5年度は、国債発行総額や市場環境等を踏まえ、前年度当初比▲0.2兆円の2.0兆円としている。3.おわりに令和5年度国債発行総額は、引き続き高い水準となっており、国債発行残高(財投債含む)は、令和5年度末に約1172.4兆円に達すると見込まれている(図3)。また、近年発行が多額となっている短期債について、令和5年度国債発行計画においては、市中発行額に占める割合を縮減しているものの、依然として従前の2割程度よりは高い水準にある。今後も借換債を含めた国債の大量発行を余儀なくされる中、これらの国債を確実かつ円滑に発行しつつ、中長期的な調達コストの抑制を図っていく観点から、国債管理政策は一層重要となっている。国債発行当局としては、引き続き国債市場の動向を注視しつつ、市場関係者との緊密な対話を行い、中長期的な需要動向を見極め、安定的で透明性の高い国債発行に努めていく所存である。

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