ファイナンス 2023年2月号 No.687
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2022年4月28日「連続指値オペの原則毎営(%)業日実施」を決定2.01.61.20.80.40.0▲0.42022/12022/22022/3(出所)日本相互証券(単利)終値ベース2022年6月15日「チーペスト銘柄の連続指値オペ」を実施日本銀行2022/42022/52022/6日本銀行2022/72022/82022/92022/102022/112022/122023/1国債買入れ額を大幅に増額しつつ、従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大2022年12月20日日本銀行長期金利の変動幅を、理財局国債企画課長 吉田 修本稿では、昨年12月23日に公表した令和5年度国債発行計画の内容を中心として、国債発行を取り巻く最近の動きについて概要を説明したい。40年債30年債20年債10年債5年債2年債(図1)各年限の金利の推移 30 ファイナンス 2023 Feb.1.現下の国債市場の状況令和4年初め、欧米の長期金利が急速に上昇し、国内長期金利の上昇も加速した。2月から3月にかけては、国内長期金利は日本銀行が変動範囲の上限としている0.25%に接近し、これを受け、日本銀行は、3月・4月に連続指値オペ等を実施した。さらに4月の金融政策決定会合において指値オペの毎営業日実施を決定した。6月には、各国の中央銀行の利上げ姿勢が強まり、国内長期金利が一時0.265%をつけるなど債券市場が変動する中で、日本銀行はチーペスト銘柄(当時、残存7年程度の10年利付国債の銘柄)を対象とする連続指値オペを実施した。9月~10月にかけては、各国中銀の利上げが継続されるなかで、超長期ゾーンのボラティリティが高まる場面も見られた。12月には、日銀金融政策決定会合において、長短金利操作の運用について、「国債買入れ額を大幅に増額しつつ、長期金利の変動幅を従来の『±0.25%程度』から『±0.5%程度』に拡大する」ことが公表されたことで、ほぼ全てのゾーンで金利上昇した。その後は、日本銀行が各年限において、機動的に買入れ額のさらなる増額や指値オペを実施すると公表し、長期金利が0.5%を下回る場面も見られたが、足元では変動幅の上限である0.5%近辺で推移している。(図1)。令和5年度 国債発行計画について

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